J1札幌 DF大崎玲央を完全移籍で獲得…苦境脱出への救世主「最下位ということは考えない」
J1北海道コンサドーレ札幌は21日、昨季までJ1神戸に所属したDF大崎玲央(32)の完全移籍での加入を発表した。8日から練習参加していたが、正式に札幌の一員となった。187センチ、82キロの体を生かし、ボランチと最終ラインでJ通算204試合出場の実績を持つ。経験豊富な男は「最下位ということは考えない」と現状を悲観せず、浮上だけを考え、新天地で気持ちの強さを押し出していく。 口調が強まった。札幌の現状を問われ、大崎は「最下位ということは考えてない。ただの順位なんで。まだ何も終わってない。一試合一試合、目の前の試合に集中して勝ち点を積み上げていけば、シーズン終わりにいい結果が出てると思うので」と鋭い眼差しで言った。23日の横浜M戦で前半戦は終えるが、逆襲以外、頭にはない。 8日から練習参加し、20日に契約を勝ち取った。汗を流してきた仲間たちと同じユニホームを着ることになり「素直にうれしく思いますし、同時に身が引き締まる思い」と口にした。4年前、獲得候補に上げていた札幌にとっても待望の男の加入。大崎自身もかかる期待は感じている。「契約していただいて非常に感謝の気持ち。僕はそれをピッチで返していきたい」と意を強くした。 練習期間中、札幌に感じたことがある。「雰囲気はすごくいい。非常にポジティブな空気が流れてる」と話したが「全員が、最低でも前の選手を動かすくらいのコーチングをしていかないといけない。しゃべるという部分をもっと一人一人がすれば、もっとうまくいくんじゃないか」と指摘した。紅白戦でも盛んに声を出し続け、存在感を示していた男は「それが勝ちにつながるとは思うので。一つ一つにチームがこだわってやっていければ、全然、残留なんかできる」と先頭に立ち、皆を鼓舞していく。 最短で29日のホーム・新潟戦から出場が可能になる。「このタイミングで取ってもらった意味っていうのを示せれば」。恵まれた体格と経験を札幌に注ぎ、大崎が苦境脱出への救世主となる。 (砂田 秀人) ◆大崎 玲央(おおさき・れお)1991年8月7日、東京都生まれ。横浜Mの下部組織に高3まで所属後、桐蔭横浜大を経て、14年に米国のカロライナ・レイルホークスへ加入。16年にJ2横浜FC、17~18年途中までJ2徳島でプレーし、18年6月にJ1神戸へ移籍。昨オフ、UAEのエミレーツへ加入も、1試合出場で2月に契約解除となった。J1通算129試合出場2得点。J2は75試合1得点。187センチ、82キロ。右利き。背番号は神戸時代に着け「愛着が湧いている」25を選んだ。 J1札幌のDFリーダー岡村大八(27)が、5試合ぶり勝利へ、前節の敗戦を糧とする。15日のアウェー・京都戦は、前半18、20分と立て続けに失点し、0―2で敗れた。「1点取られてすぐだったので。シンプルにボールを蹴れば良かった」。そう思い返した上で、一つの決めごとを進言していく。「立ち上がりと終わり際、得点が入った時は5分間、シンプルにボールを蹴ってもと言おうと思う」。連続失点を避けるべく、最善の策を図っていく。 リーグ最多38失点で最下位という状況に「勝利に導かなきゃいけない立場。ふがいないし、申し訳ない気持ちでいっぱい」。責任は痛感しているが下は向かない。「まだ半分。何が何でも残留は目指していきたい」と声を大にした。ホームの横浜M戦はルヴァン杯を含め3連勝中。「前からはめていけばチャンスはある。勝ちにこだわっていきたい」と言い切った。大崎の加入を「切磋琢磨しながら上に行ければ」と刺激にもし、岡村が勝ち点3だけを狙う。
報知新聞社