「1ドル=160円」突破寸前で高まる警戒感 「三度目の介入」の条件を探る【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】
相場安定で160円台乗せなら介入の必要性は低下、トレンド転換は日米金融当局の動き待ち
もちろん、予想ボラティリティが、為替介入を実施するにあたっての唯一の判断基準とは限りませんが、この先、再び介入が実施される可能性を考える上では、ドル円が160円を超えるか否かではなく、1つの目安として、期間1週間や1ヵ月の予想ボラティリティが2ケタの大幅上昇となるか否かに注意が必要と思われます。これは、為替介入の目的が、過度なボラティリティの上昇を抑え、相場の安定を図ることにあるからです。 この点を踏まえると、ドル円が緩やかなドル高・円安進行のもとで160円台に乗せた場合、為替介入の必要性は低いと考えられます。ただ、ボラティリティが上昇すれば、前回同様、米国債の売却を含む大規模な為替介入が想定されますが、介入には相場のトレンドを反転させる目的も効果もありません。ドル安・円高方向へのトレンド転換には、やはり日米金融当局の具体的な動きが、まずは待たれます。 (2024年6月25日) ※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『「1ドル=160円」突破寸前で高まる警戒感 「三度目の介入」の条件を探る【解説:三井住友DSアセットマネジメント・チーフマーケットストラテジスト】)。 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント株式会社 チーフマーケットストラテジスト
市川 雅浩,三井住友DSアセットマネジメント株式会社
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