長く煮込むのはNG!美味しいおでんの「新常識」、とくに練り物は加熱しすぎると“スカスカ”になる
料理の腕を上げるために、まず作れるようになっておきたいのが、飽きのこない定番料理です。料理初心者でも無理なくおいしく作れる方法を、作家で料理家でもある樋口直哉さんが紹介する『樋口直哉の「シン・定番ごはん」』。今回はこれからの時期に出番も多くなるおでんを簡単に作る方法です。 【写真】“おでん”の出来上がりはこんな感じ ■定番なのに上手に作るのは難しいおでん 冬になると食べたくなるのがおでん。関西では関東炊きといいますが、醤油の普及とともに広まった料理とされ、今ではコンビニエンスストアから専門店まで幅広く提供されています。
おでんの種(ちくわなどの練り物やがんもどきなど)は市販されているので、あとは大根などと一緒に調味した出汁で煮るだけのシンプルな工程です。しかし、意外と上手につくるのは難しいもの。 ふつうに考えればおでんの具は弱火でコトコト、煮込めば煮込むほど味が染み込んでおいしくなりそうなものですが、実はこれが間違いのもと。おでんは長く煮込んではいけないのです。おでんをおいしくつくるポイントは煮込みすぎないこと。
旧 ことことじっくり煮込む 新 煮込んだら火を止め、余熱で味を含ませる それでは実際に作っていきましょう。 おでん 材料 2~3人分 大根 1/2本 こんにゃく 1枚(100g) 鶏手羽肉 4本 練り物類 焼きちくわ 4本(1パック) 魚のつみれ 12個(1パック) がんもどき 1パック ごぼう巻 4本(1パック) おでん出汁 水 1500mL 昆布 15cm角 鰹節 20g うす口醤油 75mL みりん 75mL
■「味が出る具材」と「味を吸う具材」を把握して おでん種はスーパーに行くと多種多様な商品が並んでいます。数種類をまとめたセットもあるので、それを使えば気軽におでんに挑戦できます。他に加えたい食材としてはやはり定番の大根があります。今回はこんにゃくを使っていますが、ジャガイモなどもよくあうでしょう。 まず、おでんを攻略するには「味が出る具材」と「味を吸う具材」を把握することです。市販されているおでん種の多くは前者で調味され、すぐに食べられる状態まで加工されています。そのため、これらの食材を長く煮込む必要はありません。また、練り物はすでに加熱がされているので100℃近い温度で加熱するとスカスカになってしまいます。