“ハーレム”状態=成立ではない? 過去シーズンのデータから考える『シャッフルアイランド』の必勝法
もし自分がその場にいたら、どう立ち回るのが最適解なのか? 大好きな恋愛リアリティショーを観るたび、筆者はそんなことを考えている。 【写真】カップル成立となった2人のキスシーン 「いっぱい笑おうね」 無名のライターなんて、そもそもオーディションにすら呼ばれない。もしなにかの間違いで番組に参加できたとて、周囲の比べものにならないビジュアルに淘汰される以外にない。そんなことは百も承知である。だが、もしも千載一遇のチャンスが巡ってきたときには、なんとしても結果を残したい。であれば、人生を賭けて恋に落ちた相手を、ビジュアルではなく“頭脳”で振り向かせる。そんな運命の掴み方だって、アリっちゃアリなのではないだろうか? ということで今回は、数ある恋愛番組のなかでも、トップクラスの陽キャとギャルが集う『シャッフルアイランド』(ABEMA)を考察対象として、熾烈な恋愛ゲームに身を置いた際の上手い立ち回り方を考えてみたい。南国リゾートを舞台に、メンバーがふたつの島を行き来する“シャッフル”に翻弄されながら、7泊8日で運命の恋を見つけ出す模様を描いた同番組。毎日、数回発動される“シャッフルタイム”以外での島の移動は禁止されているほか、最終日に告白できるのは同じ島にいる男女同士というのが、事前に伝えられている基本的なルールだ。 ・より多くのシャッフルが恋の成就確率を上げるのか? 平均シャッフル回数を集計してみた 筆者がまず考えたのが、詰まるところ番組の醍醐味である“シャッフル”の波に身を任せた方がよいのか? あるいは、抗えるだけ抗った方がよいのか? 考察方法としては、過去5シーズンすべてを見渡して、最終的にカップル成立を果たしたメンバーと、惜しくも結果を残せなかった2組で、一人あたりが経験したシャッフル回数を、複数の項目立てをしながら集計してみた。 結果はご覧の通り。5シーズンの総計と、シーズンごとに割り出した数値のそれぞれから受け取れるメッセージが若干変わってくるため、順に説明しよう。 まずは前提から。全シーズンとも、シャッフルタイムは7泊8日の間で平均して8~9回ほど発動(ちなみに5シーズン総計で、これまで43回のシャッフルタイムが巻き起こっている)。そのうち男女とも、一人あたりおおよそ2~3回の幅でシャッフルを経験しているようだ。 ここからが本題。カップル成立を果たした集団は、そうでない集団よりもシャッフルされているのか? まずは、5シーズンの総計から数値を算出。カップル成立を果たした男子と女子、そして男女あわせての3パターンで5シーズンの総計を計ったところ、平均して男子が2.12回、女子が2.05回、男女あわせて2.08回という数字が。どの集団においても、各所属の平均シャッフル回数を上回っており、簡単にいえばカップル成立をした集団の方が、そうでない方よりも多くシャッフルされている。 細かな数値のピックアップこそ割愛するが、今度は同じことをシーズン別、さらには男女それぞれまでブレイクダウンしてみた。『Season1』こそ、男女とも平均よりもシャッフル回数の多かった集団の方が、運命の恋人をより見つけられているのに対して、『Season2』以降は結果がやや異なる。たとえば、男子、かつカップル成立を果たした集団の方が多くのシャッフルを経験している場合、女子の方は結果が反転。つまり、女子側はシャッフルされた回数が増えれば増えるほど、カップル成立から遠のいていくのだ。こうした男女間における結果の反比例の構図は、実に『Season5』まで継続される。 話が徐々にわかりにくくなり恐縮だが、3つ目の指標の登場である。というのも、男女あわせての平均から考えると、話が再び変わってきてしまうのだ。『Season5』こそ、より多くシャッフルされたメンバーの方がカップル不成立率が高くなった。しかしながら同シーズン以外では、簡単にいえばより多くのシャッフルに関わった方が、運命の恋を手繰り寄せているのである。 これは、つい先日までの『Season5』における一部始終を思い返すと理解しやすいのだが、たとえば『Season4』でのメンバーごとのシャッフル回数がおおよそ1~3回に収まるのに対して、『Season5』では0~5回と、振れ幅がかなり大きくなっている。具体的には、番組記録の5回ものシャッフルを経験したあのん(グラビアアイドル)がひゅうが(動画クリエイター)と結ばれなかった一方で、彼とカップル成立を果たしたきょうか(フィットネストレーナー)が、逆に一度も島を移動していないなど、いわば“外れ値”が発生しているのだ。このあたりを踏まえて、本稿最後に『シャッフルアイランド』必勝法を考えていきたい。 ・運命の相手はどのタイミングで見つかる? “全員シャッフル”の影響力はいかに? 筆者がもうひとつ着目したのが、運命の相手と巡り合うタイミング。一体、どのくらいのタイミングまでに同じ島で、同じ時間を過ごしていればよいのか? これについては『Season1』~『Season3』を除いた『Season4』と『Season5』を基に考えていきたい。 こちらもグラフ形式でビジュアライズしてみたのだが、いかがだろうか? 『Season4』で運命の恋人を見つけられたのは、ののこ(ピラティスインストラクター)、りか(タレント)を除く全15名中13名。うち、カップル成立を果たしたのは、過半数の8名。さらにそのうち、運命の相手と出会ったのはそれぞれ、初日までに2名、2日目までに2名。3日目にはそこに4名を加えて、8名全員が同時点で一度は意中の相手と同じ島となっているという。 続いて『Season5』はどうだろう? こちらは、運命の恋人を見つけられたのが、なおと(アーティスト)以外の全16名中15名(なつみ/タレントについては、告白の場で紆余曲折ありながらも、じゅんや/モデルに惹かれていた言及があったため、彼を運命の相手と考えてカウント対象にしている)。そのうち、カップル成立を果たしたのが、『Season4』と同じく8名。さらにそのうち、なんと6名もが初日から運命の相手と顔合わせ。残り2名は5日目での邂逅となっており、ほとんどのメンバーが初日時点で初対面を叶えているのだ(この部分については、後ほど詳しく説明する)。 ただ、これも難しいところで、初回シャッフルの“シルエット投票”で移動対象メンバーに選ばれ、いわゆる“ハーレム”や“逆ハーレム”状態に身を置くことが、カップル成立の可能性に近づくことかと言われると、一概にそうとは言えないらしい。こちらは後述する“全員シャッフル”と同様、初回シャッフルメンバーに選ばれたか否かで、その後にカップル成立したのかを確認したところ、結果は綺麗に半々となってしまった。 あわせて、番組のビッグイベントである“全員シャッフル”についても可能性を洗い出してみたのだが、カップル成立を果たしたメンバーたちが、全員シャッフルの波に飲まれたか否かについて一人ずつ数えてみたのだが、こちらも結果は初回シャッフル同様。綺麗に半々だった。つまり意外かもしれないが、残り2~3日間で運命の相手と離れ離れになったとしても、逆境からの巻き返しができるということ。ただそもそも、元の島に戻れたメンバーしか、この話題における考察対象になっていないという落とし穴こそあるのだが……。 ・『シャッフルアイランド』必勝法は? 改めて感じる“残り時間じゅんぽ”作戦の異例ぶり ここまでの考察を踏まえて『シャッフルアイランド』必勝法を考えると、こうなる。 ・可能な限り、2つの島を多く移動した方がいい。シャッフルの運命に、翻弄されろ。 ・運命の相手には、遅くとも3日目までには巡り合っておきたい。なるべく早めにだ。 ・とはいえ、最終日間近に運命の相手を見つけても、状況は覆せる。諦めるな。 ちゃぶ台をひっくり返すようだが、一人あたりの平均シャッフル回数やその波に飲まれるタイミングの観点から、『シャッフルアイランド』の明確な必勝法を導くには至らなかった。上記3つの鉄則は、“強いて言えば”という具合でのものである。実際のところ、通称・“残り時間じゅんぽ”作戦で、“じゅんぽ”ことじゅんやに大胆なキスのアプローチを仕掛け、彼の心を見事に振り向かせたちぴたん(nutsモデル)がいたように、挫けぬ気合いとギャルマインドがあればどうにかなりそうなのだから(前述した『Season5』においてギリギリの5日目に巡り合った2名とはまさに、じゅんや&ちぴたんのことである)。 それにしても、頭で考察しても、運命の相手と結ばれる可能性が多少しか上がらないシステムになっているとは! 定量的・定性的ではない人の心が絡むため、数字で太刀打ちできない領域こそあるとはいえど……『シャッフルアイランド』よ、なんとも侮りがたし。本当によくできた番組だ。 では、気になる相手へのアプローチ方法などに、また別の必勝法は見出せるのか? 筆者の独断と偏見だが『シャッフルアイランド』において時間の短さを埋めるのは、手繋ぎ、ハグ、キスの三種の神器しかないと考えている。が、もしかしたらそれ以外の方法もあるかも? そのヒントはおそらく、以前に執筆した下記コラムにおける、中町綾&とうあのコメントやツッコミが参考になりそうだが、本稿では文字数の関係上、記事紹介のみに留めておきたい(参考:“同時多発キス”の勃発は前シーズン超え! 中町綾&とうあの“的確コメント”で振り返る『シャッフルアイランド Season5』)。 やはり『シャッフルアイランド』に出演する以外に、その必勝法に大きく近づく方法は存在しないのか? そうなるとやはり……出たい。実際にシャッフルされてみたい。なにより最高のバカンスで、最高の恋を見つけてみたい。恋リア大好きでたまらない、筆者の無謀な挑戦は続く!!!
一条皓太