英国、利下げが消費回復を後押しする可能性-グリーンMPC委員
(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)のグリーン委員は、利下げで家計の貯蓄意欲が後退し、出遅れている英国の消費支出回復が後押しされる可能性があると語った。
グリーン氏は利上げで貯蓄が増加したことを挙げつつ、利下げに英国の消費者がどう反応するかは不透明性があると指摘。このため金融政策の緩和を「慎重かつ徐々に進めるアプローチ」を支持すると説明した。
「利下げサイクルは家計が消費を遅らせ、貯蓄を増やす誘因を低下させるものであるべきだ」と、グリーン氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が21日公表したコラムで論じた。
金利が下がれば経済の繰り越し需要が解き放たれ、インフレを押し上げる可能性がある一方で、より高い金利での住宅ローン借り換えが続くため消費が弱含むリスクもあるとグリーン氏は指摘した。
グリーン氏はMPCの中でタカ派寄り委員の1人。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降で英中銀初となった8月の0.25ポイント利下げには反対した。短期金融市場で見込まれている11月に2回目の利下げが行われる可能性について、支持するのか同氏はほとんどヒントを示さなかった。
原題:BOE’s Greene Says Falling UK Interest Rates May Spur Spending(抜粋)
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Tom Rees