「消防車」は個人でも買えるって本当?購入したら公道を走ってもいいの?
火災現場で活躍する「消防車」。子どもの頃に憧れていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。消防車はKSI官公庁オークションで出品されることもあり、掘り出し物として個人で買うことも可能です。 そこで今回は、消防車の費用相場や公道を走っても問題がないのかについて調べてみました。
消防車は個人でも購入できる!? その気になる値段は?
消防車は、行政機関所有の財産や税金滞納者の差しおさえ財産を取り扱う「KSI官公庁オークション」で出品されることもあり、個人で購入することが可能です。2024年1月28日時点で受け付け中の消防車は67台あり、スタート価格は1万~77万円に設定されています(2024年1月時点)。 インターネットの中古車サイトでも消防車を検索できます。ある中古車サイトでは22台の消防車が掲載されており、購入の際の支払総額は78万~493万円でした。またほかのサイトでは21台の消防車が掲載されており、支払総額は75万~493万円に設定されているようです。 オークションや中古車として売られている消防車は、実際に使われていたとはいえ現役を引退した古い車両がほとんどです。新車の価格は大幅に高くなります。 例えば、北九州市消防局で使用されている消防車の価格は以下の通りです。 ●普通消防ポンプ自動車:約4000万円 ●水槽付消防ポンプ自動車:約5300万円 ●化学消防ポンプ自動車(大型):約9400万円 ●30メートル級はしご付消防自動車:約2億2200万円 ※出典:北九州市「Q消防車や救急車の値段は、いくらぐらいするんですか?」
消防車を購入したら公道を走ってもいい?
個人で消防車を購入した場合、条件さえ満たせば公道を走ることも可能です。 ここで注意したいのは、消防車は道路交通法施行令第13条で定められている緊急自動車のひとつであることです。個人で購入して使用する場合は、緊急自動車として運転することはできません。各都道府県が定める道路交通規則では、おおむね以下のような記載があります。 「令第13条第1項各号に掲げる自動車以外の自動車若しくは原動機付自転車を運転するときは、緊急自動車の警光灯と紛らわしい灯火を点灯し、又はサイレン音若しくはこれと類似する音を発しないこと。」 ※出典:東京都例規集データベース「 東京都道路交通規則 第2章 第8条(13)」 つまり消防車を購入した場合は、走行中に赤色灯やサイレンを使用することは禁じられています。 また、自治体や消防団の名称を車体に付けたまま走行するわけにもいきません。そのため、KSI官公庁オークションに出品されている消防車では、車両についての説明に以下のような記載があります。 「赤色灯、サイレン、スピーカー、表示灯、回転灯、徽章、無線機等の緊急装備品は取り外しています。車体などの名称表示は消去した状態となります。」 出典:紀尾井町戦略研究所株式会社 KSI官公庁オークション 「消防車(水槽付消防ポンプ自動車 日野 平成13年式 走行距離14,424km)」 購入した消防車で公道を走るには、消防車としての機能をほとんど外さなければならないため、消防車らしさが失われる可能性が高いといえます。