「松本人志」地上波復帰のカギは「記者会見」を開けるかどうか 「たけし」FRIDAY襲撃事件の会見との“違い”とは
たけしの会見
1986年12月9日、ビートたけしはじめたけし軍団のメンバーら12人が講談社の写真週刊誌FRIDAY編集部を襲撃した事件だ。この前日、FRIDAYの記者が、たけしが交際していた女性の手を掴んで引っ張るなど怪我を負わせたことがきっかけだった。たけしらはその場で逮捕されたが、逃亡の恐れがないことから釈放された。事件から2週間後に行われた会見の一部を紹介しよう。 たけし:今度の不祥事というのは、片っ方で言論の自由とか報道の自由とかいうことで写真雑誌が俺の周りをうろついていたんですけども、僕としてもプライベートを守る自由というのがあるわけで、それに対して具体的に行動に出たんですけど、その行動した過程において暴力を使ったり、たけし軍団ていうのを一緒に連れて行ったことに対しては非常に反省しております。しかし、自分の大切なものを守るということは誰にでも権利があるということで、過剰防衛と言われればそれまでですけども、暴力以外に対抗する手段はないのかと言われたら、まあ、お聞かせ願いたいと。でも、やっぱり法的には暴力を使ったことが悪いことは私だってわかっていますから、ファンの方や関係者の皆さまにご迷惑お掛けしたことを反省しております。 記者:茶の間のアイドルとして社会に与える影響も大きいが、今どんな気持ちか。
悪いと思ってない
たけし:茶の間のアイドルというのは俺以外にも一杯いるわけで、俺一人テレビを切り盛りしているわけじゃない。(明石家)さんまでもタモリでも萩本(欽一)さんでもお笑いに関してはいっぱいいる。茶の間に与えた影響ということだったら、親子の関係ということで親は子を守るし、俺の場合は愛人もいたからね、それも守っただけで、その行為に関しては絶対悪いと思っていない。ただ、暴力行為だとか集団でもみ合ったということが悪いとしたら、それは親が子供に言うべきであって、「あれはたけしが悪いんだ」と言えばいいこと。それが子供に悪影響を及ぼしてどうのこうの言うのは全然次元が違うと思う。 記者:袋叩きにする声と擁護論があるが、どう思うか。 たけし:袋叩きになるのはしょうがないと思ったけどね。擁護論というのは他人がやることでね、俺の味方がいっぱいいるからやったわけじゃない。いいですか? やったのは俺本人の問題で俺自身の問題ですからね。みんなの代表でやったわけじゃないですから。俺のプライバシーを守るために個人でやっただけだからね。いろんなタレントがやられている時に代表してやったわけじゃない。俺は大塩平八郎じゃないんだから。 翌年6月10日、東京地裁はたけしに傷害罪で懲役6カ月(執行猶予2年)の判決を下した。ちなみに、襲撃事件に加わったたけし軍団のメンバーは起訴猶予処分となった。果たして松本の場合、ここまで正当性を主張することができるのだろうか。