「再現できた人、いる…?」『キャプテン翼』思わずマネした「憧れの必殺技シュート」
■二人の息がぴったり合うことが絶対条件? ブレ玉となってゴールを襲う「ツインシュート」
全日本少年サッカー大会の決勝戦では、のちに“ゴールデンコンビ”と言われる翼と岬太郎による偶然の同時シュートが炸裂した。連載当時は「ダブルシュート」と言われていたが、のちに「ツインシュート」として認知されていく。 これは、両者の息がぴったり合っていないと難しい大技だ。中学生編では、花輪中の立花兄弟が南葛中戦で披露。先述したように立花兄弟はもともとコンビプレイを磨いていたため、問題なくできたのだろう。 当時、この「ツインシュート」を真似した少年たちも多かった。もちろん筆者もその一人だ。ボールを置いて助走距離を同じ歩幅に合わせ「せーの」の掛け声で蹴り合うのだが、どうしても同じタイミングにならない。というより、ボールに対して足が接する面積が狭いため、相手の足を蹴り上げてしまうこともしばしば……。なんとなくできそうだっただけに、もどかしい必殺技だった。 作中でこのツインシュートは何度も登場している。たとえば、日向小次郎と沢田タケシの「東邦ツインシュート」。こちらはキック力に差があるので、大きくスライスしてパスとなっていた。 極めつけは、翼と日向の夢の必殺技「ドライブタイガーツインシュート」だ。ドライブシュートとタイガーショットの合わせ技で、登場したときは興奮した。しかしこれを止めてしまう西ドイツジュニアユースのゴールキーパー・デューター・ミューラーの凄さには脱帽だった。 『キャプテン翼』の連載当時、日本ではまだメジャースポーツとはいえなかったサッカー。だが、本作に登場するユニークかつカッコ良い必殺技のおかげもあり、その人気は爆発的に伸びていった。 ほかにも翼や三杉淳の「オーバーヘッドキック」や、若島津健の「三角跳び」、新田瞬の「ノートラップランニングボレー隼シュート」など、真似した技はいくつもあった。いつも失敗していたが、そんな経験も今となっては良い思い出である。
ジャッキー