薬物や偽物「水際で食い止める」 クリスマス前に厳格検査 横浜税関川崎外郵出張所
「どちらが本物か見分けられますか?」
目の前に置かれた2つの高級化粧品。同じに見えるが、片方は偽物という。一体どこで判別できるのか。「詳しくは言えないが、メーカーと密に情報交換を行っている」と、知的財産部門の調査官は明かす。
市場価値や人気が高い商品ほど偽物を作られるリスクが高く、メーカー側はネット通販での出品などを注視している。自社の利益を守るため、偽物を発見したら正規品と異なる判別ポイントを探し、税関側に情報を寄せてくるという。
偽物にも季節性があり、夏はTシャツ、冬はプレゼント用なのかブランド品や宝飾品が多い。今月、米大リーグで活躍する大谷翔平選手の所属するドジャースがワールドシリーズを制覇したことで、偽物のユニホームやグッズが持ち込まれることも一層増えそうだ。
川崎外郵の金子憲一所長は「大量の郵便物を効率的に検査するため、人工知能(AI)も活用して精度を高めていきたい」と話す。(山沢義徳)