南座「吉例顔見世興行」スタート、片岡仁左衛門が中村梅玉と対峙する「仙石屋敷」ほか
「松竹創業百三十周年 京の年中行事 當る巳歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」が、去る12月1日に京都・南座で開幕した。 【画像】「松竹創業百三十周年 京の年中行事 當る巳歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」昼の部「蝶々夫人」より。(他19件) 「吉例顔見世興行」は、毎年12月に行われる南座の恒例興行。劇場正面には、出演する歌舞伎俳優の名前が書かれたまねき看板が並んだ。昼の部は、プッチーニのオペラを題材とした新作歌舞伎「蝶々夫人」で幕開け。長崎でアメリカ人の夫の帰りを待つお蝶を、中村壱太郎が勤めた。「三人吉三巴白浪」より「大川端庚申塚の場」では、お嬢吉三役で片岡孝太郎、お坊吉三役で中村隼人、和尚吉三役で中村錦之助が出演。舞踊劇「大津絵道成寺」では、休演中の片岡愛之助に代わり、壱太郎が5役を踊りわけた。昼の部ラストは、森鷗外原作の「ぢいさんばあさん」。作中では、37年間離れ離れになった夫婦の変わらぬ愛情が描かれ、市川中車が夫の美濃部伊織、中村扇雀が妻のるんを演じた。 夜の部は、真山青果が赤穂浪士の討入り事件を題材に書いた「元禄忠臣蔵」より「仙石屋敷」でスタート。主君の無念を晴らした大石内蔵助を片岡仁左衛門、そんな内蔵助を詮議する仙石伯耆守を中村梅玉が勤める。続いて、“初代中村萬壽ご当地にて御目見得”と冠し、中村萬壽がかさね、中村萬太郎がその恋人・与右衛門に扮する「『色彩間苅豆』かさね」、中村隼人・坂東巳之助・壱太郎・片岡孝太郎らが出演する「『曽我綉俠御所染』御所五郎蔵」が上演される。夜の部ラストを飾るのは、「越後獅子」。中村鴈治郎、萬太郎、中村鷹之資が、越後の大道芸人である角兵衛獅子に扮し、鮮やかな舞を披露した。 公演は、12月22日まで。 ■ 「松竹創業百三十周年 京の年中行事 當る巳歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」昼の部 2024年12月1日(日)~2024年12月22日(日) 京都府 南座 □ スタッフ 第一、新作歌舞伎「蝶々夫人」 脚本・演出:石川耕士 第二、「『三人吉三巴白浪』大川端庚申塚の場」 作:河竹黙阿弥 第三、「『大津絵道成寺』愛之助五変化」 作:河竹黙阿弥 構成・振付:二世藤間勘祖 第四、「ぢいさんばあさん」 原作:森鷗外 作・演出:宇野信夫 □ 出演 第一、新作歌舞伎「蝶々夫人」 お蝶:中村壱太郎 山森酉蔵:中村錦之助 花月楼女房お駒:中村鴈治郎 第二、「『三人吉三巴白浪』大川端庚申塚の場」 お嬢吉三:片岡孝太郎 お坊吉三:中村隼人 和尚吉三:中村錦之助 第三、「『大津絵道成寺』愛之助五変化」 藤娘 / 鷹匠 / 座頭 / 船頭 / 鬼:片岡愛之助 弁慶:中村鷹之資 犬:中村虎之介 矢の根の五郎:坂東巳之助 第四、「ぢいさんばあさん」 美濃部伊織:市川中車 宮重久右衛門:中村萬太郎 久弥妻きく:中村壱太郎 宮重久弥:中村虎之介 下嶋甚右衛門:坂東巳之助 伊織妻るん:中村扇雀 ※片岡愛之助の休演期間中は、「大津絵道成寺」の藤娘、鷹匠、座頭、船頭、鬼を中村壱太郎が勤める。 ■ 「松竹創業百三十周年 京の年中行事 當る巳歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」夜の部 2024年12月1日(日)~2024年12月22日(日) 京都府 南座 □ スタッフ 第一、「『元禄忠臣蔵』仙石屋敷」 作:真山青果 演出:真山美保 第三、「『曽我綉俠御所染』御所五郎蔵」 作:河竹黙阿弥 監修:片岡仁左衛門 □ 出演 第一、「『元禄忠臣蔵』仙石屋敷」 大石内蔵助:片岡仁左衛門 吉田忠左衛門:中村鴈治郎 堀部安兵衛:市川中車 磯貝十郎左衛門:中村隼人 大石主税:中村鷹之資 大高源吾:中村亀鶴 間十次郎:片岡進之介 仙石伯耆守:中村梅玉 第二、「『色彩間苅豆』かさね 初代中村萬壽ご当地にて御目見得」 腰元かさね:中村萬壽 百姓与右衛門実は久保田金五郎:片岡愛之助 第三、「『曽我綉俠御所染』御所五郎蔵」 御所五郎蔵:中村隼人 星影土右衛門:坂東巳之助 傾城皐月:中村壱太郎 甲屋女房お松:片岡孝太郎 第四、「越後獅子」 角兵衛獅子:中村鴈治郎 / 中村萬太郎 / 中村鷹之資 ※片岡愛之助の休演期間中は、「色彩間苅豆」の百姓与右衛門実は久保田金五郎役を中村萬太郎が勤める。