「メダルを含む複数の入賞者を」男子36年、女子24年ぶりの五輪マラソン表彰台へ早期内定新制度「ファストパス」をロス大会選考で導入
日本陸連は11日、東京都内で会見を開き、次回2028年ロサンゼルス五輪のマラソン男女の日本代表選考について、新たに27年3月に代表入りを決められる制度「MGCファストパス」を設けると発表した。意欲的な試みから、男子は1992年バルセロナ大会で森下広一が獲得した銀、女子は2004年のアテネ大会で野口みずきの金以来となる日本勢の五輪メダル獲得を目指す。 ■五輪連覇王者「パリvs東京」金メダル比較に大反響【動画】 新設される「MGCファストパス」を得るためには、これまでの「ジャパンマラソンチャンピオンシップ」シリーズを「MGCシリーズ」と改編した25~26年、26~27年の2シリーズにおける指定大会や、来年に東京で開催される世界選手権など、対象の競技会で指定のタイムを上回ることが条件となる。 男子は日本記録を57秒上回る2時間3分59秒、女子は同記録よりも2分速い2時間16分59秒を突破することが求められ、上回った選手が複数の場合は最速の選手が対象となる。その上で、現時点では未発表のロサンゼルス五輪の参加標準記録を対象期間内に突破することが条件だ。 21年東京大会、24年パリ大会で実施した選考会の「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)も行われる。新制度で内定選手が出た場合、MGCでは1位選手が代表に決まる。新制度で内定選手が不在の場合は、これまで通りに上位2選手が代表入りする。MGCは27年秋に開催される見通しだ。残る1枠は「MGCファイナルチャレンジ」で争う。 同陸連はメダル獲得を見据えて選考方法を勘案。メダルを狙える記録を持った「速い選手」、再現性や調整力のある「強い選手」、最も「勢いのある」選手と多様な構成で挑む狙いがある。2大会連続で男女ともに入賞者を輩出した従前の制度を、より発展させて新たな制度を設けるなどした形だ。 ファストパスの設定をクリアすれば本番でもメダルも狙えるとして、より高みに到達するための〝指標〟ともなる。同陸連の高岡寿成シニアディレクターは「ロサンゼルス五輪ではメダルを含む複数の入賞者を出したい」と決意を込めた。 ◆五輪日本代表・過去2大会のMGC&本大会成績 ■2019年(東京五輪選考) ▼男子 M1 位 中村 匠吾(富士通) 2:11:28 五62位 2:22:23 M2 位 服部 勇馬(トヨタ自動車) 2:11:36 五73位 2:30:08 M3 位 大迫 傑(Nike) 2:11:41 MGCFC ◇2:05:29 五6 位 2:10:41 ▼女子 M1 位 前田 穂南(天満屋) 2:25:15 五33位 2:35:28 M2 位 鈴木亜由子(日本郵政グループ) 2:29:02 五19位 2:33:14 M6 位 一山 麻緒(ワコール) 2:32:30 MGCFC ◇2:20:29 五8 位 2:30:13 ■2023年(パリ五輪選考) ▼男子 M1 位 小山 直城(Honda) 2:08:57 五 23位 2:10:33 M2 位 赤﨑 暁(九電工) 2:09:06 五6 位 2:07:32 M3 位 大迫 傑(Nike) 2:09:11 五13位 2:09:25 ▼女子 M1 位 鈴木 優花(第一生命グループ) 2:24:09 五6 位 2:24:02 M2 位 一山 麻緒(資生堂) 2:24:43 五51位 2:34:13 M7 位 前田 穂南(天満屋) 2:27:02 MGCFC ◆2:18:59 五 欠 場 【注】MはMGC、五は五輪、MGCFCはファイナルチャレンジ。◆は日本記録、◇は当時の日本記録。所属は当時 【#OTTOパリ五輪情報】