ガソリン高止まり続く…6月末から170円以上 「価格を決めて給油」客が増加 イチゴ農家「苦しい」
焼津市にあるフルヤ園芸。5棟のビニールハウスでおよそ1万4000株のイチゴを育てています。これから収穫を迎え、今、実が赤く色づき始めているところです。 フルヤ園芸 古谷雅幸さん:「だんだん赤くなるものが増えてきてこの辺はおいしく食べられる感じ」 栽培しているイチゴは県内ブランドの「きらぴ香」。名前の通り、表面はキラキラと光沢があり、優しい酸味と上品な甘さが特長です。
栗田アナ:「(試食して)ほど良い固さ。みずみずしい。あとは香りが良い」 まさにこれからが収穫の最盛期。ただ、そこに暗い影を落としているのが燃料費の高騰です。
フルヤ園芸 古谷雅幸さん:「重油タンクから暖房機に燃料を送って暖房を入れている。ハウス内の温度を下げないように、やはり花が凍ったりするとダメになってしまうので、だいたい8℃ぐらいに設定をして、それより(温度が)下がった場合は、暖房機が勝手に入るように設定をしている」
イチゴ栽培には欠かすことのできないハウス内の温度調節。ガソリン同様、重油も高止まりが続いていて、暖房機をフルに活用するこれからの季節は、イチゴ農家にとって頭の痛い日々が続きます。 さらに問題は、暖房だけではありません。光合成をさせるためには二酸化炭素が必要になりますが、冬場は外気温が下がるため、せっかく温めたハウス内で換気によって循環させることは難しくなります。
そこで、こちらの機械で二酸化炭素を発生させます。動力源は「灯油」です。 フルヤ園芸 古谷雅幸さん:「これから暖房シーズンになるので、少しでも暖房代が抑えられるように、このようにフィルムを上に被せて保温をして対策するなど、できることをまずはやっている。あとはどうしようもなければ、温度設定を下げて、なかなか(暖房を)入れないようにするという選択肢もあるが、そうすると作物の成長が抑制されてしまう」
しかし、保温をするためのフィルムをはじめ、出荷する際のパックなども、石油製品のため、機械の燃料と同様に価格が高騰。燃料費を抑える工夫をすればするほど割を食うという悪循環です。 フルヤ園芸 古谷雅幸さん:「このフィルムもそうだが、やはり石油製品が多いので、全体的に資材が昔に比べて1.5倍~2倍になっていて、ハウスを増反したりフィルムを張り替えたりするコストも上がって規模を大きくしたり、設備を更新するのが厳しい形。イチゴの価格に、(高騰分を)のせられない分、どうしても苦しいところがある」 先行きが見えない“燃料費の高騰”。消費者も、生産者も、一体いつまで我慢を続ければいいのでしょうか…。