パタゴニアがZ世代50人に合宿を開催。高校生からは「今はアクティビストでいることがスタンダート」の声も
ただ知識で語るわけではない人に
「ユース・アクティビズム・スクール」は、2020年12月に第1回を開催。今回の2回目は初のオフライン開催となった。 一般公募の他に、パタゴニアの店舗で働くアルバイトスタッフや社員も同様の選考を通じて参加した。 「知識だけで語ってくれているわけではない人に参加してもらうことにしました。 例えば、『学校帰りに川で、ちょうど授業で聞いたプラスチックのごみが落ちているのを見つけた』というところから、応募にたどり着くまで、等身大の感覚で話してくれていた人に来てもらっています。 日常の違和感や気づきをもとに動くこと、行動することができることを、実践する皆さんの話を含めて共有したいと思いました」(パタゴニアの環境社会部門運営責任者) 会場での食事はヴィーガンにも対応した。休憩中のお菓子も同様だ。 さらに、NO YOUTH NO JAPANからの発案で、参加者がぶら下げる名札も、手書きのものを採用。「〇〇ちゃん」「△△くん」といった呼び方も本人の意思で選べるように配慮した。 「参加した人がその敬称を違和感に感じたら、最後まで講義なんて耳に入らないはずですから」(パタゴニアの環境社会部門運営責任者) 参加者と同じZ世代が立ち上げた団体とあって、パタゴニア側もプログラムをいっしょに考えていく中で「学べる部分がたくさんあった」と話す。 2日間の講義を終え、解散の時間になるとSNSアカウントを交換する参加者たち。早速活動の芽は息吹き始めている。 「学校で活動する団体を立ち上げてみたい」「友だちとどれだけマイボトルで節約できたかゲーム感覚で楽しみたい」「勇気を出して学内の環境系のサークルに入ってみようと思う」など決意を新たに、家路につく。 「自分の学校がちょっと保守的で、全部理事が決めるみたいな、そんな環境にずっともやもやしていて。 隣にいる人からでも声をかけていきたい。今はアクティビストでいることがスタンダートみたいな、そんな気分です」(高校生・Rさん)
荒幡温子