【制作現場レポート】窪塚洋介・亀梨和也・南沙良、チームワーク抜群!「外道の歌」撮影レポ
窪塚洋介と亀梨和也がダブル主演を務めるDMM TVオリジナルドラマ「外道の歌」の撮影に、映画ナタリーが密着した。 【画像】リラックスムードで撮影に臨んでいた亀梨和也と南沙良 DMM TVで配信中の本作は、渡邊ダイスケのマンガ「善悪の屑」「外道の歌」をもとにした物語。小さな古書店を営むカモとトラは悲痛な思いを背負った被害者に代わって、法の裁きから逃れた加害者に壮絶な復讐をしていく。窪塚がカモこと鴨ノ目武、亀梨がトラこと島田虎信に扮し、南沙良が復讐の手伝いをする開成奈々子を演じた。 ■ 液体窒素に緊張走る拷問シーン 夏の日差しが降り注ぐ7月上旬、この日の撮影は埼玉・所沢市にある薄暗い倉庫で行われた。いつもカモが拷問を実行する“仕事場”にて、児童虐待殺人事件の犯人・岸本周平を固定した状態で、彼が犯した罪を引用しながら処刑する陰惨なシーンだ。トラと奈々子も、少し離れた場所からその様子を見守っていた。 義理の娘・凛を虐待し続け、衰弱死させた岸本。娘に対し気に食わないことがあると、氷水に両足を入れさせ「ごめんなさい」を100回言わせるなどの虐待を行なってきた。しかし彼は殺人の罪に問われることはなく、約7年で出所すると、虐待を美談にした著書「愛したかった」を刑期の満期日に出版する。そんな岸本役にキャスティングされた田中俊介は、手をロープで縛られ、顔に痣メイクが施された姿で横たわっている。岸本を仁王立ちで見下ろすカモは、原作と同じくゼブラ柄のパーカーにサングラス姿で威圧的な雰囲気を漂わせる。カモが鉄パイプで岸本を痛めつけるカットでは、窪塚が「殴り方、大丈夫でした?」と振り下ろし方を入念に確認していた。 拷問の後半戦では液体窒素が使用され、セット内にはモクモクと白い煙が発生。バラの花を凍らせる演出のために本物の液体窒素が用意され、細心の注意を払うべくキャスト・スタッフの緊張感が一気に高まった。シリアスな場面だが、バラの花を浸したときのパリパリという軽快な音に、窪塚が「唐揚げみたいだね」と発言して現場を和ませる場面も。一方、田中は血のりまみれになったうえ、液体窒素に見立てた水でびしょびしょになり、煙も吸い込むというさんざんな状態に。早朝から夜まで拷問シーンの芝居をやり遂げた田中に、窪塚は「今日のMVPだわ。ぐっすり寝れるね」とねぎらいの言葉を掛けた。 ■ すっかり打ち解けている亀梨和也と南沙良 撮影も終盤に差し掛かり、窪塚たちを見守る亀梨と南もすっかり打ち解けている様子。亀梨は長髪のウィッグと、毎回2時間以上掛かるというタトゥーペイントによって一見近寄りがたい見た目だが、カメラが止まると「サザエさん」のテーマ曲を口笛で吹いたりといたって自然体だ。また「この前、窪塚さんとそれぞれのマネージャーと4人で『劇場版コナン』を観てきたよ」とトークを繰り広げ、「『劇場版 外道の歌』で奈々子の眼鏡が(コナンみたいに)進化したらどうする?」と話して南を笑わせる様子も見受けられた。 ■ 窪塚洋介&亀梨和也が絶賛する、南沙良の“突破力”とは 窪塚は本作のオファーを受けて原作マンガを読んだ際、あまりにハードな内容に気分を害して「やらない」と答えたという。しかしマネージャーから「あと1巻だけ読んでほしい」とプッシュされ、渋々読んだところ徐々にハマったと明かす。「自分は幸せに生きてるほうだと思うけど、すぐそこの路地裏ではこんなことが起きているという恐ろしさを生々しく体感しました。だから最初は、こんなことが自分の身に降りかかってたまるかっていう怖さで嫌悪感を抱いたんだと思います」と振り返り、「これは悪だ、これは正義だなんて誰にも決められない。それこそ原作は『善悪の屑』『外道の歌』というタイトルなので、その意味について自分なりの答えが出てくるんじゃないかな」と込められたメッセージに言及する。また少ないセリフで重厚感を出さなければいけないカモのキャラクターについては、“ジェイソン”というキーワードを現場で共有しながら作り上げた。窪塚は「アクションもセリフもトラが担ってくれるところが多いので、俺は亀ちゃんに甘えて、自分のペースで演じさせてもらってます」と感謝した。 亀梨はオファーを受けた理由を「シンプルに窪塚さんとご一緒できるってことで」と即答。「面白い作品ですけど、しんどい部分も多い。プロデューサーさんに『この作品における光になってほしい』と言われたので、トラの明るさや軽い部分も意識して撮影に挑んでいます」と語る。また原作通りセリフが関西弁のため、方言指導の録音を聴き続けているそうで「夜な夜なベッドサイドで方言の先生の声と過ごしてます」と苦労を明かした。窪塚が「彼と一緒に仕事していると、熱い気持ちにさせてもらえます。沙良ちゃんのフレッシュな刺激もあって、凸凹っぽいけどチームワークはわりと早い段階で作れたんじゃないかな」と話すと、亀梨も「3人で家にいるシーンはかわいらしいやり取りがあったり、それぞれの不器用さが出ていて、そのメリハリがいい方向に働く気がします」とアピールした。 さらに窪塚と亀梨は、南の“突破力”を絶賛。窪塚が「ちょっとセリフを噛んでも、そのまま突き抜けていくんですよ」と説明すると、亀梨も「絶対止まらない。メッシかっていうぐらい、絶対ゴールまで行きますから」とうなずく。「今後、役者界隈には“南流”という流派が出てくる」と断言する2人に、南は恐縮しながらも「撮影前はすごく不安だったんです。足を引っ張らないかなとか……。でもお二人ともすごく優しくてリラックスできています。お二人の背中を見ながらがんばっています!」と笑顔を見せた。 ■ 監督・白石晃士も大満足のキャスティング 監督を務めたのは「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズや映画「サユリ」など、ホラー作品を多く手がけている白石晃士。白石は「原作はハードコアだけど、人情味があったりユーモラスな描写も多くて。そういう部分もしっかり意識しています」と説明する。キャスティングについても自信をのぞかせ、「窪塚さんは黙っていても滲み出る迫力と、奥底にある優しさが感じられてすごい。亀梨さんはビジュアル含めて想像以上にトラ。そんなにすぐ(撮影で)OKを出すわけではないんですけど、素晴らしいから毎回OKになっちゃう。すぐOK出す監督だなってみんなに思われてるかもしれない(笑)」と満足げに語る。プロデューサーの久保田哲史も「ハードコアな作品だからエンタメにしすぎるのもよくないし、バランスが難しいので、カモとトラのキャスティングは大切で。だからこそ窪塚さんと亀梨さんのバランスはすごくいいなと思います」と手応えを伝えた。 ※「外道の歌」はR15+指定作品 (c)DMM TV