米航空機大手ボーイングは23日、第3・四半期決算で純損失が60億ドル（約9140億円）超になったと発表。ケリー・オルトバーグ最高経営責任者（CEO）は、経営不振やストライキに苦しむ中、経営再建に向けて「根本的な企業文化の変革」を表明した。 同社の損失額は、2024年に入ってから約1兆2220億円近くに達している。長引くストライキなどによる民間機737MAX、777、767の生産停止や、防衛・宇宙部門の低迷などが要因にある。 オルトバーグ氏は書簡で、業績が低迷し顧客の信頼を損なっていることを受け、「問題の悪化を防ぎ、より緊密に協働する必要がある」と強調。「方向転換には時間がかかるが、実現すれば再び偉大になる能力がある」とした。 23日は、ストライキ中の同社工場で働く労働組合員、約3万3000人が会社側の新たな提案を受け入れるかどうかを巡る投票日でもあった。64％が反対票を投じ、ストライキの継続が決まった。 ボーイングの「737MAX9」は今年1月、アラスカ航空機のプラグドアが上空で破損し吹き飛ぶ事故が発生。 9月には全世界の従業員の約10％に当たる1万7000人を削減すると発表。新型大型機「777X」の初納入を1年遅らせるとした。 ボーイングはまた、財務強化のため約150億ドルを調達する計画を示している。 オルトバーグ氏は23日、米CNBCテレビに対し、事業の見直しを進めており、一部資産を売却する可能性もあると述べた。 ボーイングの株価は23日、最大2％超下落した。