従わないと違反になる? 商業施設でたびたび見かける「右折入庫禁止」の看板
「右折入庫禁止」の看板を発見!これって従わなきゃダメ?
ショッピングモールやホームセンターなどの大型商業施設で、駐車場の入口に「右折入庫禁止」の看板が掲げているのを見かけた事がある人は多いと思います。多くの商業施設では施設側の車線から左折して入庫するようにするために、反対車線から右折して入庫する事を禁止しています。 【画像】「え…!」 これが右折入庫禁止の看板です! 画像で見る(10枚) 駐車場の入口には警備員を配置しているところも多く、右折入庫をしようとすると、迂回するように指示されることもしばしば。しかし、警備員を配置するのは混雑する土日だけという施設も多く、平日には看板があるにも関わらず右折入庫するクルマが後を絶ちません。 公道から右折して施設の駐車場に入る事を禁止する「右折入庫禁止」の案内に、従う法的義務はあるのでしょうか。
そもそも交通違反の取り締まりの対象となるのは、国土交通省や各都道府県の公安委員会が公道に設置している道路標識に従わなかった場合です。 たとえば身近な標識には、逆三角形に「止まれ」と書いてある「一時停止」の標識や、一方通行の出口に設置されている「車両進入禁止」などの標識があります。 これらは「本標識」と呼ばれるもので、さらに、主にその下に設置されている「補助標識」も含めて公道に設置されている道路標識は、法的な効力を持っています。そのため道路標識の指示を無視すれば、警察の取り締まりの対象になり、内容に応じて罰則が科せられることになります。 一方、商業施設に設置されている「右折入庫禁止」の看板は、公道ではなく私有地に設置されているもの。これは、施設側の判断で個別に設置している看板なので、法的な効力は一切ありません。つまり強制力はないものの、施設の利用者に協力を促すために設置されている案内標示という訳。 警察が交通違反を取り締まることができるのは主に公道で、施設内は私有地となるので対象外で、施設内でトラブルが発生したとしても、死傷事故や悪質行為など、よほど大きな事件でないかぎり警察は民事介入できません。そのため、たとえ商業施設の案内表示を無視したとしても、警察に取り締まりを受けることはありません。