政府、自動運転向けAI開発へ 25年度に民間提供
政府は、車の自動運転技術の開発に不可欠な道路環境や交通状況のデータの不足を補うため、仮想的にデータを生成して量、質ともに向上できる人工知能(AI)の開発に乗り出す。2025年度中に民間企業に提供する。米国や中国に後れを取る自動運転の開発を加速させたい考えだ。 経済産業省は、他の自動運転関連の支援を含め24年度補正予算で70億円を確保した。27年度以降に地方で自動運転タクシーを実用化させたり、30年に自動運転システムを搭載した車の世界販売シェアを3割確保したりする目標の実現に寄与すると説明している。 AI開発は、IT企業や研究機関を念頭に国の事業として委託する。自動車メーカーに加え、部品メーカーなどにも活用してもらう。 自動運転は車を制御するシステムやセンサーの性能に加え、道路環境や天候、歩行者の動きといった膨大なデータの蓄積が鍵を握る。データ収集と安全性検証には自動運転技術を搭載した車を公道で長時間走らせる必要がある。