「説明尽くしたい」山本一太・群馬県知事 議会反発の副知事再任案に理解求める
群馬県の山本一太知事は6日、県議会の賛同が得られず提出できていない前副知事・宇留賀敬一氏(43)の再任人事案について、県議会全員協議会の12日開催が決まったことに、「感謝したい。何とか同意していただけるよう説明を尽くしたい」と語った。そのうえで、副知事不在の現状を「私1人で対応していて、もう、てんてこ舞いなんです」と訴えた。 経済産業省出身の宇留賀氏は、山本知事1期目の令和元年8月から副知事に就任。「得難い人材」と手腕を高く評価する山本知事や宇留賀氏本人の意向から4月、経産省を退職し、副知事を続投する方針が示された。これに対し、事前相談がないことなどから最大会派の自民党県議団が難色を示し、知事がブログで説得攻勢を続ける事態に。 同党県連幹事長の井下泰伸県議が「事前に相談してくれれば、ここまでガタガタしなかった」と知事の根回し不足を批判。山本知事はブログで「再任が否決された場合、対応を見直さざるを得ない。あらゆる手段を駆使し反撃する」などと強く牽制(けんせい)し、緊張状態に陥った。宇留賀氏は5月21日に退任、22日に経産省を退職している。 県議会事務局によると、副知事人事案が否決された事例は記録が残る昭和22年以降、平成15年の1回だけ。こうした中、山本知事は5月24日、「県政の混乱を招く」との県議会議長の提案を受け、本会議に提出予定だった副知事の再任人事案を取り下げていた。 全員協議会開催について山本知事は6日の定例会見で「大変、ありがたい。今回は『分かってもらえるだろう』という私の考え方、見方が甘かった」と進め方に非を認めた。そのうえで宇留賀氏不在の2週間を振り返り、「温泉文化のユネスコ無形文化遺産登録を目指した活動や各種開発などを私1人で対応していて、本当にてんてこ舞い。業界団体や高崎市長らも再任を求めている」と改めて再任に理解を求めた。