倒壊ビル、7日解体着手 輪島市、年度内完了へ
●7階建て「五島屋」、上層部から「輪切り」に 元日の能登半島地震で倒壊した輪島市河井町の輪島塗老舗「五島屋」の7階建てビルについて、市は7日に公費解体に着手する方針を固めた。地震に伴う大規模火災が起きた「輪島朝市」近くにあり、地元住民から早期の解体・撤去を望む声が上がっていた。年度内の取り壊し完了を目指しており、復興や街並み整備が前進すると期待される。 ビルはコンクリート造りで、1970年代に建てられた。五島屋が社屋として使い、地震で基礎部の一部が地面にめり込むように倒れた。基礎部のくいの破損や地盤が原因ではないかと指摘されており、国土交通省が調査を進めている。 解体の際、基礎部や地盤の状態が変化して調査に影響する可能性があり、市と国交省が工法を検討してきた。市は上層部から段階的に「輪切り」にする形で取り壊し、ある程度解体した後、国が基礎部などの状況を調べる計画だ。倒壊を免れた3階建ての別棟から工事に入り、ビル本体に取り掛かる。 ビルは交通量が多い市中心部に位置し、倒壊して上層部が市道にはみ出している。車両や歩行者の通行の支障となっており、市は市道の安全確保を急ぐ。 倒壊ではビルに隣接する居酒屋が下敷きになり、男性店主の妻と長女が犠牲になった。店主が倒れた原因の究明を求めている。