【貯蓄3000万円と貯蓄ゼロ】どっちが多い?60歳代と70歳代で検証。資産寿命を延ばすという視点も
物価高が進行する昨今、加えて少子高齢化による年金に対する不安や、人生100年時代などといった老後生活に対する不安で溢れています。 ◆【円グラフ】60歳代・70歳代の貯蓄事情「貯蓄3000万円と貯蓄ゼロ」の割合を見る(出所:金融広報中央委員会など) 筆者はこれまで証券会社、保険会社を経験したのち、現在FPとして業務を行っています。資産状況について確認することが多く、富裕層の場合は相続についてなどの、いかに資産を守っていけばいいのかといった前向きな相談が多いものです。 しかし、中には年金受給世帯で貯蓄がないという相談も少なくありません。そういった世帯は、今後どのように生活をしていけばいいのかといった、切羽詰まったご相談が多かったです。 現役世代の方にとって、今まで以上に老後資金を準備しておかなければ、ゆとりのある老後生活を実現することは難しいでしょう。 本記事では実際に「60歳代、70歳代」の貯蓄事情について具体的に見ていきます。 あわせて、老後資金を効率よく準備する方法についても確認していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
貯蓄額の平均・中央値・貯蓄額ごとの割合は?【60歳代・2人以上世帯】
60歳代になると、定年退職を迎えたり、年金を受給しはじめる方もいるのではないでしょうか。 金融広報中央委員会による「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとに、まずは60歳代2人以上世帯の〈貯蓄事情〉を見ていきます。 ●貯蓄の平均・中央値 ※「金融資産を保有していない世帯」を含みます。 ※預貯金以外の株式や投資信託、債券などの金融商品残高も金融資産に含まれています。 ・平均:2026万円 ・中央値:700万円 ●貯蓄額ごとの割合 ・金融資産非保有:21.0% ・100万円未満:5.9% ・100~200万円未満:4.5% ・200~300万円未満:4.3% ・300~400万円未満:3.0% ・400~500万円未満:1.9% ・500~700万円未満:7.2% ・700~1000万円未満:6.7% ・1000~1500万円未満:6.8% ・1500~2000万円未満:5.4% ・2000~3000万円未満:9.5% ・3000万円以上:20.5% ●貯蓄ゼロの割合 ・21% ●貯蓄3000万円以上の割合 ・20.5% 60歳代2人以上世帯の貯蓄額の平均は2026万円でした。しかし、この中には貯蓄を多く保有している富裕層世帯も含まれており、平均額が引き上げられています。 より実態に近いとされる貯蓄の中央値は700万円で、平均より1326万円少ないことがわかりました。 また、貯蓄が少ない世帯と多い世帯で二極化しており、貯蓄ゼロ世帯は21.0%いる一方で、貯蓄3000万円以上の世帯は20.5%となっています。 60歳代では、退職金を受け取り貯蓄が増えた世帯や、年金生活に入り貯蓄を取り崩しながら生活している世帯などさまざまなケースがあると考えられます。 では、70歳代世帯の貯蓄事情はどのようになっているのでしょうか。次章で詳しく見ていきます。