絶滅危機の「ウナギを救いたい」 『ほぼうなぎ』老舗カマボコメーカーが開発 「ウナギ一切使わず」毎年改良続け味・食感を限りなく本物に
絶滅が危惧される「ウナギ」を守りつつ、日本の食文化も継承したいと、「かまぼこ」や「ちくわ」を作る老舗メーカーが、ウナギエキスも含めウナギを100%使っていない「ほぼうなぎ」の販売を始めた。 絶滅危機の「ウナギを救いたい」 『ほぼうなぎ』老舗カマボコメーカーが開発 水産庁のデータによると、ニホンウナギの漁獲量は1950年代後半から、減り続けていて、IUCN(国際自然保護連合)は、二ホンウナギを絶滅の恐れが高い「絶滅危機種」としている。 ウナギを巡る危機的状況を受け、「ウナギ」と「日本の食文化」のどちらも守ろうと、兵庫県神戸市に本社を置く老舗メーカー「カネテツ」が開発したのが、「ほぼうなぎ」だ。 「ほぼうなぎ」は、ウナギの食感と見た目を再現した「ウナギの蒲焼き風」の練り製品。 見た目は、ウナギの表面の凸凹を忠実に再現するだけでなく、裏側にもこだわりがあり、関西風の「腹開き」を表現した皮目の色の違いをリアルに再現している。 カネテツよると、最も開発に苦労したのは、ウナギのふわっと柔らかな食感。 この「食感」は、従来の練り製品の製法とはまったく違うものだったため、限りなくウナギに近づくまで一切妥協を許さずに配合と加熱方法を追求し、実現したという。 カネテツは「ほぼうなぎ」を、2018年から期間限定で毎年販売しているが、味や食感をより「本物のうなぎ」に近づけるため、毎年リニューアルしている。 客から「去年の『ほぼうなぎ』は、本物よりも柔らかすぎてしまい淡泊な味だった」といった声が届いたため、ことしは繊維感をプラスし、ふわっとしつつもほぐれるような食感と、脂がのったジューシーさの両立を目指し、さらなる進化を遂げた「ほぼうなぎ」に仕上げたということだ。 静岡にある本物のうなぎ蒲焼き工場で、本物のウナギと同じたれを使って「3度焼き」されたこだわりの「ほぼうなぎ」。 開発を担当した山本莉奈さんは、「お子さまから大人まで皆さんに食を楽しんでいただきたいという思いを込めました。『ほぼうなぎって何!?本物じゃないの?』『うなぎを使わずにどうやって再現しているのだろう』『昨年からどう変わったのだろう』など、食卓の話題になって、『ほぼうなぎ』で楽しい時間を過ごしてもらえればうれしいです」と話している。 カネテツは「ほぼうなぎ」の予約販売を5月13日から始めていて、6月7日から順次出荷する予定だということだ。 (関西テレビ 2024年5月13日)
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