【特集】広島出身の映画監督・時川英之さん 「映画で平和のメッセージを」 リアルな広島を舞台に描く平和の物語
■映画監督 時川英之さん 「子どもの時に広島の人が接する平和の話、原爆の話をリアルな物をきちんと入れたいなと思ったので、自分が子どものときに聞いたプラタナスの話を入れてみたいと思いましたね。」
時川監督がこだわったのは、リアルな広島を舞台に平和の物語を描くことです。その主人公の大学生役には、広島工業大学出身の俳優・曽田陵介さんを起用しました。 ■俳優 曽田陵介さん 「一般の方も大勢映っているので、広島全体で結構撮影させていただいた映画になってるのかなっていうのは感じます。(この映画が)平和って何なんだろうなっていうのを考えるきっかけになればいいなっていうのは思います。」
平和への思いが詰まった作品。時川監督は、初上映の舞台に広島国際映画祭を選びました。 ■映画監督 時川英之さん 「まずは広島の方々に見ていただいて、一般の人の目線の平和みたいなことを作品で一つのテーマにしているので、広島の方々の反応は、どういう反応されるのかなっていうのは、見てみたいなと思います。」
そして、迎えた上映の日。会場には、およそ350人が詰めかけました。中には、時川監督が招待した被爆者の姿もありました。広島を舞台にした新しい平和の物語。見た人の目には、どう映ったのでしょうか? ■観客は… 「ファンタジーなストーリーだったんですけれども、何て言うかな、じんときました。」 「平和に関してそんなに関心がなかったんですけど、この映画を通して、一度自分でもできることを何かこれからやっていきたいなと思います。」
■被爆者 佐久間邦彦さん 「この映画を見て、こういう伝え方もあるんだなと、新しい手法だなと思いました。」
■被爆者 小倉桂子さん 「感動しましたね。だって、広島を表してますもん。いろんな時代のいろんな層の人にアピールする映画だなと思いました。」
■映画監督 時川英之さん 「自分たちの知っている広島で平和の物語を作って、しかも全国の人が見られる。海外の映画祭とかにも出して、いろんな人が見れば絶対響くと思うんですよ。広島から外に出していきたいなって思います。そういう意味では、80年ってのはすごい大事な節目だし、被爆者の方たちがまだいらっしゃるうちに、一緒にそういうことを発信していきたいと思いますね。」 映画という形で、平和のメッセージを広く伝えたい。広島で生まれ育った映画監督の想いは、広島から全国、そして海外へと広がっていきます。