村田諒太を迎え撃つWBA世界王者・ブラントが豪語「村田のパンチは当たらない」
ボクシングのWBA世界ミドル級王者のロブ・ブラント(28、米国)が4日、都内の帝拳ジムで投資家だという美人のティファニー夫人(32)を伴って練習を公開した。ブラントは7月12日に大阪のエディオンアリーナで、前王者の村田諒太(33、帝拳)とリマッチを戦うが、村田が、元WBA世界ミドル級王者、アッサン・エンダム(フランス)とのリマッチで見せた変化を研究。「私にパンチが当たることはない」と“リベンジ返し”を宣言した。米国で高地トレを積み、スタミナを強化してきたブラントは、再び12ラウンドをフルに動き手数で圧倒する準備を整えている。
「私を倒すのは難しい」
友好ムード。だが、迎え撃つ牙は研いできた。 ブラントと元WBA世界ライトヘビー級王者のエディ・ムスタファ・ムハマド・トレーナーの2人は、予定された取材開始時間の10分前から礼儀正しくインタビュー用の椅子に座っていた。写真撮影では夫人とのツーショットにも気さくに笑顔で応じた。だが、その発言は辛辣だった。村田の「ぶん殴って倒す」のKO宣言を伝え聞くと、こう言い放った。 「自分に勝つにはノックアウトしかないと思っているからこそのコメントだと感じた。過去に村田がKOした選手は、彼への恐れ、恐怖を抱いていた。しかし、私は、一切、恐怖などない。だから私を倒すのは難しい。12ラウンドフルラウンドを戦い抜いて私が勝つことになるだろう」 ここまで10週間のトレーニングプランを消化。米国ではラスベガス近郊にある標高、約2600メートルのチャールストン山というリゾート地で高地トレを積んできた。計13度もトレイルランを行ったという。 「スタミナ、スピードアップに効果があるんだ」。高地でトレーニングを積むと血中の赤血球の数が増え、スタミナが強化される。マラソン選手など持久系のアスリートが用いる手法だが、今回の試合のポイントも「スタミナ」と「テクニック」に置いた。 「一番大切なのはスタミナ作り。ボクシング競技を行うには、最高より、さらにいい状態にしないと、いいパフォーマンスは出ない。村田が、どう動くかも予想してきた」 昨年10月に村田からベルトを奪った試合では、1262発ものパンチを12ラウンド休まず見舞った。今回の試合は「それ以上にハイペースになる準備をしてきた」という。 リマッチでの成功体験を持つのは村田の方だ。村田はアッサン・エンダムとの2度にわたる死闘で見事にリマッチを成功させ、WBA世界ミドル級王座を獲得した。1試合目はダウンを奪いながら判定負けにされる不可解判定。2試合目は7ラウンド終了時点での“ギブアップ勝ち”。ブラントは、映像を見て2試合を比較。リマッチで村田が、どう変わったかを分析した。 「エンダムの試合を見て彼がリマッチで、どう変化したかを研究した。2試合目は、よりアグレッシブに戦っていた。1試合目のスコアを見てKOを狙いに行ったのだろう。ビッグパンチを当てて、それは良かったが、防御はおざなりになっていた」 村田はエンダムとのリマッチでは強引にぐいぐい前に出てプレッシャーをかけて圧し潰した。ブラントは、そのリマッチから村田の変化を予想し対策を練ってきた。 「今回は村田のホームで戦う。そのことは彼にパワーを与えるだろう。スピードは同じ、今回はパワーがより重要になると考えている。それに対してトレーニングをしてきた。やりにくいとは思わない。私に対しては(ビッグパンチが)当たることはない。エンダムとのリマッチのような結果にはならないと思う。多くの人が予想するように村田のパンチ数、スピードはアップするだろう。それに対するプランは立てている。心配はしていない。彼のパンチが当たることはない」