0-3完敗のマンUにオールド・トラフォードのファンはブーイング。スパーズサポは敵将に「クビだ」と揶揄【現地発】
ユナイテッドは早くもプレミア3敗目
9月29日、マンチェスターのオールド・トラフォードで開催されたプレミアリーグ第6節マンチェスター・ユナイテッド対トッテナムを取材した。 【画像】2024年夏の移籍市場で新天地を求めた名手たちを一挙紹介! 若い頃、友人たちとこの街にフットボールの観戦に訪れた時、ムードに浸るためにマンチェスター出身のバンドの音楽をよく聴いたものだ。世界最高の音楽はマンチェスターのものだと信じていた。 それはさておき、ユナイテッドとスパーズは5試合を終えて、勝点7で並んでいた。この2クラブには常に期待がかかるが、近年はともに期待外れの成績が続いている。両チームのファンが今シーズンのスタートに満足していないのも無理はない。 トッテナムは、絶対的エースだったハリー・ケインがプレーしていた頃でさえ、タイトルを勝ち獲ることはできなかった。彼がいなくなった今、さらにトロフィー獲得から遠ざかっている。 一方のユナイテッドは常にタイトル獲得が求められているクラブだ。昨シーズンはFAカップのファイナルで宿敵マンチェスター・シティを破っての優勝。この結果は間違いなくエリク・テン・ハーフ監督の続投に繋がったが、今は解任寸前まで追い込まれている。 両チームにとってファンに希望を与える意味でも、極めて重要な試合は、開始わずか3分にトッテナムがブレナン・ジョンソンのゴールで先制。ユナイテッド指揮官にいきなりプレッシャーをかける。 その40分後には、ブルーノ・フェルナンデスが無謀なタックルでレッドカードを受けて退場。ユナイテッドは1点ビハインドのなかキャプテンを失い、10人での戦いを強いられた。 後半に入って47分にデヤン・クルセフスキのゴールでトッテナムがリードを2点に広げると、77分にもドミニク・ソランキがダメ押し弾を決めて勝利を決定づけた。 試合後、3-0で快勝したスパーズのファンは「朝にはクビだ」と敵将のテン・ハーフ監督に対して歌った。ユナイテッドのファンからブーイングが起こっていたが、これは指揮官とB・フェルナンデスを退場にしたレフェリーに向けられていた。 トッテナムにとっては素晴らしい結果であり、特にアウェーでの戦いを主将のソン・フンミン抜きで勝ち切ったのは大きい。一方、早くもプレミア3敗目を喫したユナイテッドが暗いトンネルから抜け出すにはしばらく時間がかかりそうだ。 文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ) 著者プロフィール スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。