上手な自己アピールと自慢の違いは? 人間関係が楽になる、“自分自慢”でないアピール術
日本人の多くにとって苦手意識が強いのが“自己アピール”です。 自己アピールをするのは自慢しているようで気が引ける、嫌味っぽく取られそうで心配――。そんな不安から、堂々と自分をアピールするのは尻込みしてしまいがちです。 「自分自慢」にならないスマートな自己アピールのためには、どんな言い方をすればいいのでしょうか。
「察してちゃん」は通用しない時代
グローバルなビジネス環境が増えつつある中、堂々と自己アピールする外国人に接する機会も多くなってきました。彼らにとって、いかに自分が優れているかをアピールするのは当然の感覚。強気に自分をアピールする姿には思わず圧倒されたりもします。 それに比べて日本人は、自分を売り込んだり、自己アピールしたりするのが苦手。日本では昔から、一歩引いた奥ゆかしさや相手を立てる精神性が重んじられ、謙遜することが美徳とされてきました。協調性・同質性を求める国民性も加わって、人より前に出ることを嫌う傾向があります。 そんな日本社会では、目立つことは集団の和を乱すことであり、「出る杭は打たれる」ことにもつながりかねず、自分の安全な居場所を失うリスクとすら思われてきました。下手に自己主張をするよりも、みんなと同じでいることが処世術だったのです。 個人主義より集団主義を重視する社会では、自己アピールはスタンドプレーと受け取られてしまいがちです。そうやってわざわざアピールしなくても、周りはわかってくれるだろうという――そんな「あ・うん」の感覚を大事にする風潮は今もよく見受けられる光景です。 しかし、いまやグローバルビジネスの時代。国籍、言語、文化、宗教など、人それぞれが持つ背景が異なるダイバーシティが企業や社会で進む中、「黙っていてもわかるだろう」という「察してちゃん」は通用しません。
“得意”はレベルをイメージできるよう
いかに自己アピールを上手くできるかは、今どきのビジネスパーソンにとって欠かせないテーマです。 自己アピールでは、具体的に「何ができるのか」を明確に伝えるのがポイントです。 例えば、「パソコンが得意です」というだけでは、自己アピールとしてはアバウト過ぎると言えます。さらにいえば、本人はパソコンが得意なつもりでも、メールのやりとりができるレベルだった、ということもあります。 もしパソコンのスキルをアピールするなら、「パワーポイントで図版を入れながら資料をわかりやすくまとめるのには自信があります」「パソコンを使ってYouTubeなどの動画編集ができます」など、具体的に相手が能力のレベルをイメージできるところまで落とし込むことが大切です。 英語についても同様で、それが日常会話レベルなのか、外国人と英語で議論できるレベルなのかで、「英語が得意」の意味は大きく違ってきます。