「おまえ」と呼ばれるのはモラハラか?夫婦間のモラハラを考える
著名人の夫婦間問題を報じる際などにも使われ、広く知られるようになった“モラル・ハラスメント(モラハラ)”という言葉。 【画像】「おまえ」と呼ばれるのはモラハラか?夫婦間のモラハラを考える 三松真由美さんが所長を務める恋人・夫婦仲相談所にも、モラハラに関する相談は少なくなく、夫のモラハラが原因で別居や離婚に踏み切った、という事例は枚挙にいとまがないそうです。 今回は夫婦間モラハラについて、三松さんに解説してもらいました。
「おまえ」と呼ばれることに恐怖を感じ……
梨奈さん(仮名/35歳)は横浜・山の手育ちのお嬢様。小学校から大学まで女子高に通い、男の兄弟もいないため男性との接触はほぼ父親だけという環境で育ちました。 そんな梨奈さんが職場結婚をした相手は、鹿児島生まれ鹿児島育ちのザ・九州男児です。“九州男児”と聞くと“酒飲みで豪快”な人物像をイメージする人も多いと思いますが、梨奈さんの夫はその逆。温厚で家事を積極的に手伝ってくれる人でした。 ただ、ひとつだけ夫に対して悩んでいることがありました。ケンカになった際、夫は梨奈さんに対して「おまえ」と呼ぶことがあったのです。生まれてこのかた「おまえ」などと言われたことがなかったため、最初に言われたときにはショックで泣いてしまったそうです。 しかし、その悩みを夫に言うことはありませんでした。そのため、夫はケンカしたことで梨奈さんが泣いたのだ、という理解をして「おまえ」が原因だとは夢にも思っておらず、その後もケンカのたびに「おまえ」を連発。梨奈さんは「これはモラハラなのではないか」、と考えるようになってしまったのです。 そこである日、勇気を出して「“おまえ”と言われることが怖い」と話をしたところ、言われた夫はとてもとても驚いたそうです。 自分の両親や家族は当たりまえに使っている言葉で、それを発することになんの違和感や意図もなかったと。「これからも言葉の認識の違いが起こるかもしれない」と話し、梨奈さんには気になることがあったらすぐに言ってほしいと言ってくれたそうです。