骨董市のお宝求め外国人が殺到 店主も知らない“謎の骨董”正体は…肩たたき?仏具?
■傘の形をした酒器「遊び心がある江戸時代のもの」
持ち主の思いが詰まった骨董。しかし中には一見、その用途が分からない“不思議な骨董”がありました。 民族雑貨を扱う骨董店で発見したのは、600年ほど前にアフリカで使われていたという腕輪。まさかの使われ方をしていました。 アフリカ・マリ出身 店主 「貨幣」 「(Q.貨幣?お金ってことですか?)そうそう。これも、みんなそう。昔のブレスレット型の貨幣」 「(Q.これでやりとりするんですか?)そうそう、物々交換。こういうふうに着ける」 金属製の腕輪は、15世紀ごろからアフリカの様々な部族で貨幣として使われていたといいます。 続いて見つけたのは、木製で筒状の骨董。江戸時代のものらしく一見、傘のように見えますが、その正体とはお酒を入れる「酒器」でした。 傘の形をした理由は、江戸っ子の粋なしゃれっ気にありました。 骨董店 店主 「お花見に行く時に、これを持っていくわけです。すると、『天気もいいのに傘なんか持ってくんだよ!』ってなりますよね。それで桜の木の下に行ってから、おもむろに『おい、どうだい一杯』っていう感じでお酒を入れて出したんです。遊び心がある江戸時代のもの」
■肩たたき?仏具? 謎の骨董の正体は
何とも不思議な骨董の数々。さらに、「謎の骨董がある」と聞き、我々は神奈川県の骨董市に向かいました。 骨董店 店主 栗田安司さん 「(Q.これなんですか?)これ、ほとんど農家さんから出てくるものなんです。おそらく農家で使った何かの木を加工しているのかもしれない」 球体が付いた曲がった木の棒。店主も知らない“謎の骨董”の正体を追跡しました。 骨董店 店主 「民具で使うとすれば、脱穀とかたたく(道具)。色々ありますけど…分からないですね」 骨董店 店主 「これ肩たたきじゃないですかね。こういうのって個人で勝手に作っちゃうから」 謎の骨董は、肩たたきに使うものなのでしょうか?ヒントを求め、東京・巣鴨へ向かいました。肩たたき棒を使ったことがありそうな人々に「なんだと思うか」聞ききました。 街の人 「肩たたき」 「これ肩(たたく)?違う?」 やはり、肩たたきと答える人が多い一方で…。 街の人 「これ、お花じゃないかしら?蓮(はす)の花の何かに似ている」 雑貨店 店主 「蓮のつぼみの固くなっちゃった乾燥したやつじゃないかな?あとで漆を塗ったとか…」 曲がった棒は茎、丸い部分は蓮のつぼみと予想。よく目にするのは仏像の横に飾られたもの。ということは…仏具?そこで、とげぬき地蔵があるお寺に聞いてみました。 とげぬき地蔵尊高岩寺 来馬明規住職 「(Q.何だか分かりますか?)ちょっと拝見します。如意(にょい)ではないでしょうか」 如意とは、法要などでお坊さんがお経を唱える時に、手にもつ道具とのこと。 仏具店に確認してみると、先端に蓮のつぼみを模した江戸時代の如意ではないかということ。ついに、その用途が判明しました。 実はこの如意、昔は意外な使い方をしていたのだそう。 来馬住職 「私が習ったのは“孫の手”だっていうんですけど。“如意”→意の如(ごと)し(意のままである)と言われるように、“かゆいところに手が届く”ということで如意ということなんでしょう」 「肩たたき」ではなく「孫の手」、まさかのニアピンでした! 骨董に隠された、知られざる歴史。それも魅力の一つなのかもしれません。
テレビ朝日