【保護ネコ漫画】SNSで話題。著者が保護活動を続ける理由となったミケジョ(三毛猫)のミーコが教えてくれた命の大切さ
「保護犬」との暮らしを綴ったコミックエッセイ『たまさんちのホゴイヌ』の出版から一年。続編を望む多くの声に応えて、今度は「保護猫」との日々をまとめた新刊『たまさんちのホゴネコ』(世界文化社)が出版された。 【漫画を読む】『たまさんちのホゴネコ(虹の橋)』
犬や猫の「一時預かりボランティア」を続ける著者・tamtamさん(タムタム)さんのインタビューと、猫への愛と優しさにあふれる心温まる1冊から一部を抜粋、要約してお届けする。
私が重度の猫好きになった原因のミーコ
保護や愛護なんて言葉を聞くと、なんだか暗くてかわいそう……というイメージをお持ちではないですか? 実は、面白いことや楽しいこともたくさんあるんです。この本には「今を生きる」意味を私に教えてくれた6匹の猫たちが登場します。 私が人生で初めて家族になった猫で、「死」を通して命の大切を教えてくれた“ミーコ”、人を絶対に信用しない血だらけだった野良猫“足湯さん”、盲目でてんかん持ちだった“こいちゃん”……。 私が重度の猫好きになった原因はミーコ。とてもきれいなミケジョ(三毛猫)でした。私は4歳の頃、母の地元に引っ越し、祖父母と一緒に暮らし始めました。そこに住んでいたのがミーコでした。 撫でると喉を鳴らし、尻尾の先でゆっくりとリズムをとる姿が愛しかった。冬の寒い日は一緒に布団に入ってくれたり、夏の暑い日は私の枕元で寝るのが習慣で、どんな時も私の部屋の扉を開けて、ミーコがいつでも入れるようにし、寝るときはいつも枕をずらしてミーコを待つのでした。 しかし、同い年の私たち。ミーコに残された時間は、人間の私にとってはとても短いものでした。あるとき、ミーコの様子がおかしくなり、すぐさま病院へ。ミーコはそのまま入院することに。次の日、私は1人でバスに乗り動物病院へ駆け付けました。が、その次の日、病院からミーコが死んだと連絡があり、ミーコは抜け殻になって帰ってきました。 本当に死んでしまったのかと疑うほど穏やかな顔。でも、何度名前を呼んでも目を覚ますことはありませんでした。ドラマや映画で見る最期の別れは、もっと感動的で神秘的で心温まるものだったのに。 これが死というものなのか。こんなにも虚しく、あっけないものなのか。開けたままの部屋の扉は閉められず、枕の位置も戻せないまま、ただ時間だけが過ぎていきました。「夢の中でいいから会いに来てよ……。」 そんな時、おばあちゃんが私に「お線香をあげなさい。お線香の煙はね、遮られることなく、まっすぐ天国につながっているんだよ。どんな病気や怪我をして死んでしまっても、お線香の煙に包まれると、みんな元気な体に戻る。そして迷わないよう、線香の煙を辿って天までまっすぐ昇って行く。昇っていくのをしっかり見守ってあげなさいね。」と教えてくれ、私はただただ、まっすぐに立ち上る線香の煙を見つめていました。 大人になった今でも、ミーコが必ずまた会いに来てくれると信じています。それがもしかしたら今日かもしれないし、10年先かもしれない。生まれ変わった姿は犬かもしれないし、猫かもしれないし、ボロボロで病気を持っていたりするかもしれない。 でも、もしまた会えたら、あの時何もしてあげられなかった分、精いっぱい向き合うんだ、今ある「命」に。いつしかそれが、私が保護活動を続ける理由となっていました。 ---------- tamtam(タムタム) 公益財団法人の動物保護団体に勤務後、生活のかたわら保健所から犬猫をあずかり里親を探す“一時あずかりボランティア”を続ける。2018年から自身の経験を通した漫画をインスタグラムに投稿し、話題をよぶ ----------