琉球放送

沖縄県は22日、日米地位協定に関するシンポジウムを開き、アメリカ軍が駐留する各国の事例など調査結果を報告しました。海外と比較すると「日本は主権を放棄しているような状況」として、改定を訴えました。 【写真を見る】「日本は主権を放棄」フィリピンや欧州と比べ主権行使できない日本の現状　日米地位協定の改定実現に必要なこととは シンポジウムで玉城知事は、県が2017年度から実施した海外のアメリカ軍基地に関する調査結果を報告しました。 ▼玉城知事 「日本ではまったく主権を放棄しているかのような状況が明らかになっています」 ヨーロッパ4カ国やフィリピンなどではアメリカ軍にも国内法を適用し、基地の管理権も地元自治体が持つなど国外と比べ日本はほとんどの分野で主権を行使できていないとして、日米地位協定見直しの必要性を強調しました。 アメリカとの地位協定の改定を進めたフィリピンのメルカド元国防大臣も登壇。 フィリピンでは、アメリカ軍撤退後の国内経済への不安などから駐留を支持する国民が多かったといいますが、メルカド元国防大臣ら一部の議員が基地撤廃の声を強めたといいます。 ▼メルカド元比国防大臣 「物事は変化している。国際秩序も変化している。安全保障の取り決めも変わらないといけない」 1991年、自然災害をきっかけにアメリカ軍が撤退し基地は返還されたほか、国内経済の自立に向け経済特区の開発が進んだと説明しました。 ▼参加した人は 「沖縄の人だけでなくて日本全国の皆さんやひいては政府がイニシアチブをとってこれをやってもらわないといけないと感じる」 「沖縄の人が当事者としてこの日米地位協定の話し合いに参加できるような社会を作っていかないとなと思いました」 沖縄県は引き続き各国で適用される地位協定の調査を続け、政府などに改定の必要性を訴えていくとしています。