ファレル・ウィリアムス、ルイ・ヴィトン最新コレクションの旅先は開拓時代のアメリカ西部【2024年秋冬コレクション】
パリ・ファッションウィークの幕開けを告げるのに、ファレル・ウィリアムス率いるルイ・ヴィトンのショーほど相応しい場があるだろうか? 1月16日(仏現地時間)、メンズ クリエイティブ・ディレクターのファレルは最新コレクション発表のロケーションに、美術館「フォンダシオン・ルイ・ヴィトン」が立つパリ16区のアクリマタシオン庭園を選んだ。昨年6月のポンヌフでの鮮烈なデビューショー、香港でのプレコレクションを経て、今回の2024年秋冬メンズコレクションがマルチタレント・ファレルの3度目のショーとなる。 【写真を見る】ルイ・ヴィトンの2024-25秋冬コレクションのルックをチェック! 来冬に向けられた最新コレクションで、バージニア州生まれの彼はワークウェアにフォーカスしながら、西部開拓時代のモチーフを通してアメリカ人である自身のルーツを取り入れた。もちろん、ファレルらしいクリエイティブな遊び心と、ルイ・ヴィトンならではのサヴォアフェールをちりばめながら。以下、ルイ・ヴィトンによる2024年秋冬メンズショーのハイライトを紹介する。 ■ファレルの開拓史 会場には巨大なスクリーンが設置され、アメリカ西部の広大な荒野が映し出された。ショーの数日前に届いた招待状にはカウボーイを連想させるハーモニカが封入されており、コレクションの方向性が示唆されていた。ファレルが手がけたサウンドトラックにはネイティブ・アメリカンの歌手からなるグループ、ネイティブ・ヴォイセズ・オブ・レジスタンスとのコラボ曲を始め、マイリー・サイラスやマムフォード&サンズとの楽曲も用いられた。 ■ルイ・ヴィトン流カウボーイ 最新コレクションにおいて、ファレルはカウボーイ風ワードローブをルイ・ヴィトンの歴史的なデザインコードに合致するようアレンジした。目を引いたのはフレアジーンズ、レザーまたはコットン地に刺繍を施したトラッカージャケット、ハリウッドの西部劇から飛び出してきたかのようなシャツ、保安官風のダブルブレストスーツ。さらに、カウボーイブーツやハットなどの小物もふんだんに登場した。ブラウンやバーガンディなど温かみのあるナチュラルなカラーパレットが全体を貫き、完璧なウェスタンスタイルを彩った。 ■ワークウェアのトレンドが決定的に 労働者の作業着にインスパイアされたワークウェア・トレンドにファレルも乗ったようだ。80のルックが発表されたランウェイで、彼は半袖やノースリーブ、キルティング、中綿入りなど様々なスタイルに解釈されたユーティリティジャケットを披露した。もう一つ、ワークウェアに着想を得たアイテムとして、ティンバーランドとのコラボブーツが登場。カルト的人気を誇るモデルが、ルイ・ヴィトンのLVロゴで生まれ変わった。日常の装いに取り入れやすいアイテムの数々が、ルイ・ヴィトンならではの感性で洗練を極めたのだ。 ■サプライズ・パフォーマンス ジェイ・Zによるサプライズ・ステージで幕を閉じたポンヌフでのデビューショー以来、ファレルはルイ・ヴィトンにしかできないビッグなアフターパーティーで来場者を楽しませることをお決まりにしてきた。今回のショーでは、アメリカのフォークグループ、マムフォード&サンズがファレルとの未発表コラボ曲「Good People」を披露し場を盛り上げた。 From GQ France By Adrien Communier Translated and Adapted by Yuzuru Todayama