バン・イェダム、日本アーティストとのコラボにも意欲「おすすめのJ-POPをよく聴いている」
2012年に韓国で放送され大人気を博したオーディション番組「K-POP STAR2」で、若干10歳で登場、準優勝を果たしバン・イェダム(優勝はAKMU)。その後、TREASUREとしてデビューし、現在はソロアーティストとして活動している彼が2枚目のMini Album「GOOD ViBES」では全曲を作詞・作曲・編曲。幼い頃から音楽が常に身近にあったという彼の音楽的なルーツと考え方、最新アルバム「GOOD ViBES」と9月に開催した日本で初めてのファンコンサートについて、たっぷり語ってもらった。 日本での公演に喜び「ステージにいる時は楽しくて笑っちゃう」 ――4月のファンミーティングに続いて9月8日には日本で初めての単独ファンコンを開催されました。まずはファンコンの感想から教えてください。 バン・イェダム:いつも日本のBY:D(バイディ/ファンの名前)のみなさんと一緒にステージの上でコミュニケーションするのが僕の夢だったんですが、早くに実現できてとてもうれしかったし、楽しかったです。 ――ファンコンでは誕生日のファンの方にバースデーソングを歌ったり、一緒にゲームを楽しんだり、イェダムさんが考えたという企画がたくさんあって楽しかったです。こうした企画を考えるのは好きですか? バン・イェダム:ファンのみなさんと一緒に楽しめることを、できるだけたくさんしたいと心がけていますね。それに僕だけの力ではなくて、いろんな方からいいアイデアをいただいて作ったファンコンなので、とても楽しくできました。 ――当日、抽選で選ばれたファンの方をステージにあげて、ペットボトルの蓋を飛ばすゲームをしていましたが、日本のファンのみなさんにとってはやり慣れないゲームだったせいか、テーブルから外れてしまう人が続出しました。 バン・イェダム:これってそんなに難しいのかな?と思いながら見ていたんですが、実際にやってみたら意外に難しいんですよね。普段あまりやらないから(笑)。でも、ファンの方が参加できるゲームがあったら面白いと思ったんですよ。ただステージにいる僕を観るイベントではなくて、一緒にステージに上がって、一緒に面白いことができれば、少しでも思い出に残るんじゃないかと思ったんです。 ――ゲームもそうですが、歌っている時もみんなと一緒に歌おうとする姿勢がたびたび見られて、イェダムさんはみんなと一緒に何かをすることに喜びを感じる人なんだなと思いました。 バン・イェダム:僕もコンサートや音楽フェスを観に行くので、そういう時、ただ音楽だけを聴くというよりは、ステージにいるアーティストから一緒に歌ってほしいと言われた時、一緒に楽しんでいるという感覚を覚えるんです。なので、僕もステージに立つ時はステージを観てくださる方々と一緒に楽しんでいるということを感じてもらいたいんです。そういう感じをずっとお見せしたいですし、そういうのが一番面白いと思います。 ――ファンのみなさんの声はどうでしたか? バン・イェダム:すごくよかったです! 僕も、最初の頃は「みなさん、一緒に歌ってください!」みたいなことって言えなかったんですよ。でも僕自身も徐々に楽しくなって気持ちが盛り上がったし、最後には客席のみなさんも立ち上がって一緒に歌ってくれました。一緒に楽しく遊んでくれたようで、うれしかったですね。BY:Dのみなさんは、僕の雰囲気に合わせて、いつもついてきてくれるんですよね。僕も、はじめは楽しすぎて、こんなに楽しく遊んでいてもいいのかなと思ったりするんですが(笑)、BY:Dのみなさんが一緒に楽しく遊んでくれるから僕ももっと楽しくなるんです。 ――ファンコンではイェダムさんがたくさん笑っている姿が印象的でした。歌っていてもおしゃべりしていても楽しくてつい笑ってしまうという印象がありましたが、普段から歌う時には笑いながら歌うタイプですか? バン・イェダム:普段、一人で歌う時は笑いながら歌わないです(笑)。でもステージの上にいる時はすごく楽しくて笑っちゃうんだと思います。それに普段はこうやって人前で歌う機会があまりないですし。でも、僕はみなさんの前で歌うために生きているので、ステージの上でみなさんと一緒に歌っている時、生きていることを実感するんだと思います。それに、観客のみなさんの反応もステージからよく見えるんですよね。そういう反応がうれしいですし、いつも来てくれるみなさんを見つけることもあるし、そうしてこうやって笑ってしまうんだと思います。 日本での楽しみ「まずは食べ物!生ビールは最高!(笑)」 ――日本のファンの方の印象はどうでしたか? バン・イェダム:今回、特に感じたことがあります。日本のファンは落ち着いていると聞いていたんですが、でも今回のファンコンで僕が「立って、ジャンプして!」と言ったらみなさんやってくれたんですよ。だから、聞いていたのと違うなって(笑)。お願いしたらやってくれるんだなと思いました。だからすごく楽しかったです。 ――ファンコンサートの会場だったEX THEATER ROPPONGIはステージと客席の距離が近かったと思うのですが、緊張はしませんでしたか? バン・イェダム:僕、緊張はあまりしない方なんですけど、みなさんの顔がすぐそこに見えるから、緊張するというよりはちょっとぎこちない感じがありましたね。でも時間が経つほどより楽しくなりした。みなさんの表情が見えるから。 ――ファンコンサートでは刺身としゃぶしゃぶを食べておいしかったという話をしていましたよね。日本に来たら必ず食べたいものはありますか? バン・イェダム:僕は、牛丼をほぼ毎回食べます。今日の朝もテイクアウトしたものを食べたんですけど、すごくおいしかったんです。味も濃すぎず、おいしくて、牛丼は必ず食べていますね。韓国ではあまり食べないんですけど、日本に来ると食べたくなるくらい、好きな味です。 ――では食べ物以外でやりたいことは? バン・イェダム:僕はショッピングにもそんなに興味があるわけではないので。アニメや映画に出てきたところに行ってみるのが好きですね。最近、また『君の名は。』を観たんですけど、渋谷か新宿が映画に出てくると聞いたので、そこに行きたいんですよね。昨日は『SLAM DUNK』に出てくる湘北高校の近くの海にも行きました。すごく暑かったです。野球が好きなので、東京ドームにも行ってみたいですね。 ――日本に来る時に楽しみにしていることは何ですか? バン・イェダム:まず1番は食べ物ですね。日本の食べ物は僕の口にすごく合うんです。それに日本独特の雰囲気も好きですね。食べ物でいうと寿司が大好きで、焼肉も大好きで、とにかく日本の食べ物は大好きです。そして日本の生ビールは本当に最高ですよね!(笑) 「ステージに立って音楽をして、それだけで僕は人生が楽しい」 ――1st Mini Album『ONLY ONE』にはじまり、最新の2nd Mini Album「GOOD ViBES」と、ソロ活動をスタートさせました。ソロアーティストとして活動を始めて、これまでを振り返ってみていかがですか? ソロになる前に思い描いていた活動はどれくらいできていますか? バン・イェダム:1人で曲を作ってきましたが、僕がやりたいこと、よりかっこいい曲を作るにはどうすればいいか、そしてファンのみなさんがより喜んでくれるにはどうしたらいいか、そういったことが少しずつ分かってきた気がして、すごく面白いです。できることに限界がない感じがしています。ソロデビューをするにあたって思い描いていた目標も、今ではかなり実現できていると思います。僕がやりたかったことをやって、ファンのみなさんと喜びを分かち合って、ステージに立って音楽をして、それだけで僕は人生が楽しいんです。もちろん、その過程の中にあるいろんなことを僕が考えて、そうやって作り上げたステージでも見せられるというのもうれしいですし。でも、まだまだやりたいことは多いです。 ――イェダムさんがアーティストとして1番大切にしていることはなんですか? バン・イェダム:やっぱりステージの上で歌うことですね。アーティストとしてアルバムを出して、たくさんの方に聴いていただくことももちろん大切ですが、ステージに立ってライブをするのが1番、アーティストとして生きているという感じがするんですよね。なので、よりかっこよく、より楽しいステージをやりたいです。ステージのことを考えて、よりライブを面白いものにするにはどうしたらいいかを考えて曲を作ったりもします。 ――そんなイェダムさんの音楽的なルーツについて教えてください。 バン・イェダム:僕は両親が2人とも音楽の仕事をしていて、僕が母のお腹の中にいた時もレコーディングで歌っていたりして、僕が生まれてからも音楽に接する機会が本当に多かったんです。子どもの頃から洋楽を聴いて育って、そういう環境だったので僕もいつか音楽を仕事にするんだと思っていたんです。僕自身、音楽を聴くのも歌うのも好きでしたし、5歳からはレコーディングもしていましたし。もし僕が音楽を仕事にしていなくても、僕にとって音楽は自分の人生の大部分を占めるものなんだろうな、といつも思っていました。そのせいか、音楽以外に何か他の職業を持つということが考えられなかったです。小学校で将来の夢を書く時も、常に音楽を仕事にしたいと書いていました。だから今がすごく幸せです。 ――今もこうして長く音楽を続けていられる原動力はなんですか? バン・イェダム:僕は音楽を通じてたくさんの思い出を作っているんですよね。そういう楽しさが1番大きいと思います。例えば、僕には一緒に曲を作っている人たちがいるんですが、彼らとの思い出もありますよね。そういったものがまるでアルバムを見るように、曲を聴くと思い出されるんです。「この曲は作曲する時にこんなことがあって楽しかったな」というふうに。そしてさらにその思い出に、今度は「この曲はステージで歌った時にみんなの反応がよかったな」といった思い出がどんどん足されていって、僕の人生の記憶になるんですよね。そういったことが僕にとって1番の原動力になっているんだと思います。 バン・イェダムとはどんなアーティスト? ――2nd Mini Album「GOOD ViBES」では、全曲の作詞・作曲・編曲はもちろん、バックグラウンドボーカルまでこなしたそうですが、このアルバムで一番表現したかったものはなんですか? バン・イェダム:前回のアルバムと比べると、もっと大人っぽいR&Bのようなニュアンスを出したかったんですよね。バン・イェダムという人間はこういう音楽をする人なんだ、こういうことができる人間なんだということを見せたかったんです。 ――今回のアルバムは自分自身でもバン・イェダムというアーティストを知る過程だったんじゃないかと思うんですが、アルバムが完成した今、改めてバン・イェダムとはどんなアーティストだと思いますか? バン・イェダム:できることがすごく多い子だと思います。今回のアルバムは特に、ジャンルとしてはR&Bヒップホップに近いですが、他の曲を作る時はジャンルにこだわらず、いろんなことをやりたいと思っています。なので、いろんな方面に個性があるし、それだけステージでみなさんに披露できるものも多いということを改めて感じました。これからも僕のいろんな面をお見せしたいですし、また大衆の方々が期待する部分もあると思うので、そのような部分もそのニーズに合うようにまたこのようにお見せしたいです。僕が思うに、今回のアルバムには楽しい音楽がたくさん収録されています。バンドの生演奏だったり、ライブで披露したときに面白そうな曲をたくさん作りました。そこから始まって、これからよりインパクトの強い音楽、そういう類の音楽も一度やってみたいと思いました。 ――「GOOD ViBES」というシンプルなタイトルが、今回のアルバムにぴったりですね。 バン・イェダム:これは、実は今回のアルバムを制作する中で作った曲のうちの1曲の仮タイトルだったんです。今回は曲を作る過程も楽しかったし、僕は音楽を楽しく作ることを優先したいんだなと改めて分かったんですよね。僕が音楽を聴く理由も、同じ楽しさを感じるためでもあるし、みなさんと気持ちをシェアしたいという思いもあるし。僕は自分の気分に合わせて音楽を聴くタイプなんですが、僕自身、楽しみながら作った曲なので、聴く人も同じように感じられるだろうという確信があったんです。そういう想いを込めて、「GOOD ViBES」というタイトルになりました。僕は曲を作る人でもありますが、それと同時に曲を聴く人でもありますよね。だから僕自身が曲に満足できないとダメなんです。それにプラスして、僕と音楽の好みが似ている人なら喜んでくれるんじゃないかなと思いながら曲を作っています。 ――表現を仕事にしている方がたまにおっしゃることですが、自分の満足を追求すると、その基準が高すぎて満足ができなくなるという話をよく聞くのですが、イェダムさんはどうですか? バン・イェダム:どちらでもあると思います。正直に言うと、僕はいつも満足していますが、その反面、満足できないところもあります。ある時はすごくいい曲ができたと思い、一週間後にまた同じ曲を聴くとイマイチに感じたり。でも自分の満足のためだけに曲を作り直すことはしないようにしています。僕が一度は満足したということは、その時点で曲は完成しているんですよ。また別の視点から曲に修正を加えたら、はじめにいいと思っていた感じが全部消えてしまったことがあったんです。なので、次のアルバム、もしくは次のプロジェクトの時に、ちょっと物足りないと思った部分を補う曲を作ればいいと思っています。音楽を作るという行為は試験とかテストではないので、正解がないものですよね。だからこそ面白いんだと思います。音楽を作ることを楽しみたいので、後から聴いてもうちょっとこうできればと思ったことは次の機会にそうすることにしています。 「K-POP STAR」で準優勝その時の幼い僕に学ぶべきことも多い ――イェダムさんといえば、「K-POP STAR2」での幼いながらに天才的なステージを披露した姿が今でも思い出されます。当時の活動を振り返ってみて思うことはなんですか? 自身の成長したところ、褒めたいところを教えてください。 バン・イェダム:子どもの頃の自分を振り返ると、当時は生まれ持った何かしらの才能があったんだなと感じますね。当時の動画を今の僕が観てもすごく上手いなと思いますし、ステージに立つことを怖がらず、緊張もせず、堂々としているなと感心します。でも、その才能をどう伸ばせばいいのか悩んできました。今の僕の基準で見たら、その時は何も考えずにステージに立っていたんですよね。そんなにものを知らないからこそ、自信があったとも言えます。でも、その時の幼い僕に学ぶべきことも多いです。今はいろんなことを知りましたが、それでもあの時と同じアティテュードでステージに臨むことがアーティストとしては正しいのではないか、と思うことがありますね。 ――成長して、たくさんの経験をしていろんなことを知った今だからこそ、怖いという感情も生まれたということですか? バン・イェダム:そうですね、それはどうしようもなくあります。 ――では、その当時の自分に言ってあげたい言葉はありますか? バン・イェダム:ただ「がんばれ」と言ってあげたいですね(笑)。でも本当に、当時の自分はすごいやつだったなと思います。 ――逆に、当時のイェダムさんが今のイェダムさんを見たら何と言うと思いますか? バン・イェダム:きっと「がんばってるじゃん」って言ってくれると思います(笑)。楽しそうだよね、人生を楽しんでいるねって。僕の周りには音楽を長く続けている人が多くて、僕の父もそうなんですが、音楽を長く続けているといつかはスランプが訪れると言うんですよね。どんなに音楽が好きでも、ある時に突然、音楽を聴くのも嫌になることがあるって。でも幸い、僕にはそういうスランプが来たことがないんですよ。この世界にはフレッシュな音楽が溢れていますし、僕自身がまだ知らないことも多いので、今もまだ新しい音楽を探して、僕になじませることがとても面白いんです。だから僕にはスランプは一生来ないと思います(笑)。これは僕の独自のノウハウなんですけど、あまり強く「絶対にこれは成功させたい」とか、「これだけやり遂げたい」という気持ちが強すぎるとスランプになるんだと思うんですよね。なので、そういった考えからは少し距離を置いています。そもそも僕は音楽を仕事だと思っていないんですよね。僕は音楽で遊ぶ人だから(笑)。 ――これからイェダムさんはどんなアーティストになっていきたいですか? 理想とするアーティスト像は? バン・イェダム:最近、もっとライブを上手にできたらと思って考えていたことなんですけど、「叫んでください」とか「一緒に遊んでください」ってみんな言うじゃないですか。そうやってみんなの反応を引き出すよりも簡単な方法が、実はあるんです。それは、まずは僕自身が楽しむこと。そうやって僕が楽しく遊んでいたら、みんなも僕につられて楽しく遊んでくれるんですよ。これはまさに気づきでしたよね。まずは僕が心から楽しめば、それがみなさんの反応になるだろうという。なぜなら、客席にいるみなさんはステージに立つ僕だけを見ているわけじゃないですか。だから、ステージに立つ僕自身が楽しんで、走り回ったりしないと、観ているみなさんは気恥ずかしいだけですよね。だから僕がまず「ここまではっちゃけちゃっていいんだよ」というのを見せないと、と思ったんです。これからも、いろんな方法で楽しむ方法を試してみようと思っています。 日本アーティストとのコラボにも意欲「おすすめのJ-POPをよく聴いている」 ――日本での活動も期待しています。日本でどんな活動をしてみたいですか? バン・イェダム:日本はすごく好きな場所でもあるので、これからはたくさん来て、日本のBY:Dのみなさんと一緒に楽しめる場があればと思います。また機会があれば、日本のアーティストの方々とコラボしてみたいという思いもあります。僕は藤井風さんが大好きで、1stアルバムをリリースした時から全部聴いているくらいです。すごく歌が上手ですよね、アーティストとしてすごくかっこいい方だと思います。そして日本で一番大きな会場のステージに立ちたいです。夢はいつも大きくないとダメですからね(笑)。 ――最近よく聴く日本の曲はありますか? バン・イェダム:日本のバンドの曲をよく聴きます。僕の友人にJ-POP好きな子がいて、たくさんおすすめしてくれるので、自然と僕もよく聴くようになったんですが、SEKAI NO OWARIさんも好きですし、ヒゲダン(Official髭男dism)さんも好きですし、優里さんも好きです。あまりにも有名ですがONE OK ROCKさんも好きです。 ――それでは、最後にKstyleをご覧のみなさんにメッセージをお願いします。 バン・イェダム:Kstyle読者のみなさん、こんにちは。これからは日本でもたくさんライブして、みなさんとたくさん交流できればと思っています。よりよい姿、より楽しい姿をお見せできるように努力しますので、少しだけ待っていてくださいね。これからもよろしくお願いします。 (取材:尹秀姫) ■リリース情報 2nd Mini Album「GOOD ViBES」 【収録曲】 1. Lovey 2. We Good 3. O-HE 4. Lovin' Ya 5. Fallin' 6. T.M.B
Kstyle編集部