道東トレイル今秋全線開通へ 阿寒摩周国立公園満喫プロジェクト
2023年度阿寒摩周国立公園満喫プロジェクト地域協議会が27日、北海道弟子屈町の川湯観光ホテルで開かれた。自治体や国などの関係者24人が、同プロジェクトのステップアッププログラム2025(SUP2025)の進展状況などを確認し、今後のプロジェクトの在り方を話し合った。 SUP2025は、エリアをAK(阿寒湖)、KA(川湯温泉、硫黄山)、NP(阿寒摩周国立公園全体)など七つに分類し、施設整備や事業推進に関する41の取り組みそれぞれに各1~3、計76の目標を設定しており、現在はこのうち68を達成した。環境省阿寒摩周国立公園管理事務所の田中準所長が「できるものはほぼやった。ほかは実現に時間がかかったり、着手が難しい」と報告した。 また、SUP2025の重点取り組みとして21年2月に策定した「阿寒摩周国立公園トレイルネットワーク構想」の一部改訂を決めた。釧路と中標津、女満別の3空港をつなぐロングトレイルを目標としているが、改訂後は阿寒摩周と釧路湿原、知床の各国立公園の接続も追記。環境省主体の「北海道東トレイル(HET)」として新たに示した。 HETは釧路市の幣舞公園から釧路湿原、屈斜路湖などを経由し、羅臼しおかぜ公園までの約350㌔を通る「釧路・羅臼ルート」と、道の駅摩周温泉から阿寒湖温泉を通りオンネトーへと抜ける約60㌔の「弟子屈・阿寒ルート」で構成。カヌーやサイクリングなどと組み合わせた新たなコンテンツや観光サービスを創出し、交流人口や関係人口の増加を図る。今秋の全線開通を目指している。 構想について徳永哲雄町長は「やっとここまで来た。いろいろな障害を乗り越えて、しっかりとつくってほしい」。佐藤吉彦標茶町長は「合意形成の仕方や各所へのトイレ整備などを検討してほしい」と要望した。
釧路新聞