ソフトバンク川瀬晃の美技が勝たせたと言っても過言ではない初戦 3本のアーチも全て効果的【#池田親興の視点】
◆パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルステージ 第1戦 ソフトバンク5―2日本ハム(16日、みずほペイペイドーム) 川瀬のファインプレーで勝ったと言っても過言ではない。3回、不運な安打で追い付かれ、なお1死一、三塁で松本剛の二遊間の当たりを好捕し、今宮に素早く正確なトスをして併殺に持ち込んだ守りだ。併殺を完成できなかったら勝ち越されていた。日本ハムはファーストステージを2試合連続の逆転で勝ち上がってきていただけに、ここで逆転されていれば、相手をまた勢いづけ、怖さ、いやらしさを発揮させてしまう恐れがあった。そこを川瀬が止めたことで、有原も頑張れた。 ■小久保監督絶賛!流れをつかんだスーパープレー【写真】 川瀬のスタメン起用は日本ハム先発の伊藤に対して今季19打数7安打、打率3割6分8厘という相性の良さも買われたのだろう。それでも使ったベンチがすごいし、応えた川瀬はもっとすごい。打ってもチーム初安打を放ち、ファインプレー直後の2本目の安打は山川の勝ち越し打につなげた。内野ならどこでもこなして苦しい状況でもしっかり守り、打席に立つ機会が空くことがあっても粘り強さを発揮した。そんな彼の集大成を見せたのではないか。伊藤との相性もあって自分の出番が来るかもといろんなシミュレーションをして準備をしてきたのだろう。勝つことでソフトバンクが大きく有利に立つ試合で結果を出すあたり、彼の力、ランクが上がっていると思う。そしてそれがチームの力になっている。 あとはソフトバンク打線から飛び出した3本の本塁打が全て効果的だった。リードを2点、3点と広げて突き放した今宮、栗原の一発もそうだし、8回の山川のソロではオスナが久しぶりに抑えで登板する直前にセーブシチュエーションとしては最もいい状況の3点差に広げることができた。逆にレイエスの一発は3点差でのソロとあって痛くはなかった。 有原は中12日という難しい状況だったが、普段のイニングを投げないとという試合ではなく、いけるところまでいこうという気持ちが強かったのでは。うまく疲れを取って、いい立ち上がりにつなげた。最後は少し乱れて81球で降板したが、いつもの120球くらいの疲労感だったと思う。それでも好守にも助けられて試合の流れをつくってくれた。 復帰戦の近藤はフリー打撃を見た感じでは打つ方は大丈夫と思った。いきなり打ってくれて先制点にもつながったから、本人もチームもほっとしただろう。あとは走った影響が一夜明けてどう出るかだ。 日本ハムに勢いがあったので初戦が本当に大事だったが全員の力で勝っていけた。ただ先述した通り、相手は土壇場での逆転を見せてきたチーム。最後まで気は抜けない。(西日本スポーツ評論家) 【#OTTOホークス情報】
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