『スカイキャッスル』『夫の家庭を壊すまで』『嗤う淑女』 夏ドラマで異彩放った“悪女”たち
内田理央が天才的な話術で人を操る“悪女”に
『嗤う淑女』(東海テレビ・フジテレビ系)は、“どんでん返しの帝王”と呼ばれるベストセラー作家・中山七里の同名小説のドラマ化作品で、内田理央がダークヒロイン・美智留を演じた。 人生に悩む人をターゲットにコンサルタント業をしている美智留は、人々の欲望を残酷に操って、次々と破滅へと導いていく悪魔のような人物だ。美貌と、天才的な話術を使って、誰だろうと自分を信頼させ、意のままに操り、地獄へと陥れる。 ある意味、ハッキリと“悪女”キャラだと言える役柄を、見事に演じきり、また新境地を開いた内田。この役を演じるのはチャレンジングだったと思うが、チャーミングな内田だからこそ、気づかないうちに操られてしまうという、稀代の美しき悪女を魅力的に表現できたのだろう。 名誉、愛、承認欲求……さまざまな欲望が渦巻く夏ドラマの中でも、特に異彩を放っていた“悪女”たち。自らの目的のためには手段を選ばない彼女たちは、社会の“こうあるべき”という規範から外れた、自由で魅力的な女性にも見える。 『スカイキャッスル』最終話では、いよいよ全ての真実が明かされるようだが、小雪が扮する九条の正体は、韓国版とは違う日本版ならではの、オリジナリティあふれる衝撃的なものかもしれない。九条は真の“悪女”なのか? それとも、何か重大な事情を抱えているのだろうか……。最終回で真実が明かされるのが待ちきれない。
清水久美子