『海に眠るダイヤモンド』杉咲花がかわいすぎる! いづみの正体判明も考察要素は多数
後半パートに入り、物語とともに盛り上がりも加速している日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)。進平(斎藤工)とリナ(池田エライザ)、賢将(清水尋也)と百合子(土屋太鳳)、そして鉄平(神木隆之介)と朝子(杉咲花)の幸せが咲き誇る中で、それらが彼らにとっての幸せの絶頂だったのではないかと思ってしまうような描写が第6話のラスト、つまりは次回放送の第7話では待ち受けている。 【写真】第6話のもうひとつの感動シーン 賢将(清水尋也)から百合子(土屋太鳳)への告白 それが第1話からサブリミナル的にシーンをインサートすることで視聴者に予感めいたものを印象付けている、鉱山での坑内火災。現代でいづみ(宮本信子)が手にする鉄平(神木隆之介)の日記にも記されている端島最大の危機だ。この事件と直接関係があるかはまだ分からないが、第1話冒頭、朝靄の中で進む手漕ぎ船に乗ったリナが進平との間に生まれた赤ちゃんを抱いて端島から離れている姿からも、この幸せがそう長くは続かない運命の下にあると言える。 鉄平の日記に直接貼られていた“希望の種”。「今日はとても幸せな1日だった。」で始まるそのページには、賢将と百合子の結婚式で見た光景、進平とリナの子供の名前が「誠」であることが記されている。この「誠」が玲央(神木隆之介)の出生、つまりは玲央の父親なのではないかという考えも脳裏に浮かぶが、さらに日記を読み進めていくと鉄平の朝子への告白について触れられている。「焦って何を言ったか、あまり覚えていない。」と記憶が曖昧だったという鉄平の告白は、演じる神木隆之介と杉咲花のナチュラルな芝居が印象的なシーンだ。 特に杉咲は、頭をかく仕草や振り返り、照れ笑いなど、何気ない演技から朝子としての心情を分かりやすく伝えてきた。それは脚本の野木亜紀子がSNSで「五話の最後の振り向き朝子、めっちゃ可愛かった」とポストするほど。まさに新たな代表作になる予感がする朝子という役を、杉咲はあるがままの姿で演じている。 今作で7度目の共演となる神木と杉咲。何かを言いたそうな朝子に、鉄平は自分と向き合い、意を決して「朝子が好きだ」と告げる。SNSでも称賛の声が多いこのシーンが第7話のなかでも際立っているのは、「あの……」となかなか言い出せずにいる鉄平とそのことに対して鉄平と同じタイミングで朝子が吹き出してしまうことで一気に空気感が緩んでいくのが象徴的であるが、恥ずかしさと嬉しさのあまりに鉄平と朝子がカメラとは反対の海の方を向いたり、涙を拭ったり、顔を両手で覆ったりと、芝居がかっていないからだろう。あえての演出なのか、小刻みに揺れるカメラの画角も相まって、まるで2人の幸せな瞬間を我々視聴者が覗いているような感覚にもなってくる。 「私、お婿さんになる人とコスモス植えたいけん」と朝子が鉄平に渡したコスモスの種が入った小袋は、日記に貼られたまま。なぜコスモスは植えられることがなかったのか、それは第7話へと続いていくが、驚きなのがこの鉄平の日記が今年(劇中の2018年)の春にいづみが手に入れたということだ。 いづみ=朝子ということが確定したことで、百合子やリナもまたどこかで暮らしているかもしれないわけだが、気になるのが謎に包まれたいづみの秘書・澤田(酒向芳)の正体だ。背格好や年齢、いづみが信頼を寄せる関係性から、澤田が賢将なのではないかという声もSNSでは大きくなっている。それでは、百合子とは離れ離れになってしまったのか……と考察が止まらなくなってしまうのが『海に眠るダイヤモンド』の今である。
渡辺彰浩