「こんな速い人見たことない」田中希実の異次元スピードに福士加代子も絶句! 別格の”19人抜き”も「区間記録の祐梨子さんは偉大」と敬服【都道府県対抗女子駅伝】
圧巻の爆走劇にオリンピック4大会連続出場のレジェンドも舌を巻いた。 1月14日、京都のたけびしスタジアム京都発着で行なわれた第42回全国都道府県女子駅伝は、宮城が29年ぶり2度目の優勝を収めた。じわじわと先頭との差を縮めた宮城が、最終9区(10キロ)の終盤で、ついに逃げる兵庫をかわして逆転。前回王者・京都の猛追をアンカー・小海遥 (第一生命グループ)が抑え、2時間16分30秒のタイムでゴールテープを切った。 【PHOTO】スーパー高校生!ドルーリー朱瑛里の“激走”厳選フォト! 区間新記録まで、あと一歩の快走劇だった。2区(4キロ)にエントリーした東京五輪女子1500メートル8位入賞の田中希実(New Balance)は20番手で襷を受け取ると、序盤からエンジン全開。次々と前を走るランナーをゴボウ抜きする快足を見せ、ついにはトップを走っていた石川代表の猿見田裕香 (ダイソー)までもかわす。別次元の走りに沿道のファンは大興奮。熱烈な応援を背にした24歳が、首位を奪取した。 スピードを一切緩めず、終盤にはギアをもう一段階上げた田中のスパートにテレビ解説を務めていた福士加代子氏は絶句。「こんな速い人見たことない…」とつぶやくほど、驚異的な走りに目を奪われたようだ。 後続を一気に突き放した田中は、2009年に小林祐梨子(兵庫)が樹立した12分7秒に迫る12分11秒の区間賞をマーク。3区を担う15歳の藤田莉沙(赤穂西中)に襷をリレーする際には、「りさちゃーん」と叫びながら後輩に想いを託した。 激走後、田中は「1区の子(永長里緒)が頑張ってくれた。自分のところでトップに立ちたいと思って走りました」と答えた。わずか4秒届かなかった区間新記録については「今の自分の全力を出し切っても届かなかった。やっぱり(小林)祐梨子さんは偉大だった」と敬服した。 パリ五輪イヤーとなる今年、大事なシーズン初戦で強烈なインパクトを残した。 取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)