迷走するJ強豪へ喝「楽しんでやってない」 V争い遠のき…ベテランが響かせた“厳しいエール”
先導者としての期待懸かる原口が決意「僕も手助けをしていかなきゃ」
もちろん、1つの世代に主力をギュッと固めたこと、同じような移籍ルートの選手が多くなった弊害はあった。それらはペトロヴィッチ監督の在任中から見え隠れしていたが、それでも関根は「その世代がどれだけ凄かったっていうのがより分かるというか、今、自分たちの世代でそういう熱い仲間がいるのかとか、実績を残せているのかって言ったら、まだ足りないと感じる。あの世代の強さ、人の良さも、特別な世代だったなと思う」と話す。 今夏に10年ぶりの浦和復帰を果たした原口には、そのような優勝争いが当たり前の環境へ戻していく先導者としての期待も掛かる。シーズン終盤のピリッとした空気について「強いチームは、ミシャの時もそうだし、みんなでそういう空気が作れたと思う。僕も手助けはしていくけど、1人1人が優勝する、チームを強くするっていう感覚を持ってやっていかないと、なかなか優勝争いをするチームにはなっていかない。そこはもう一度、ウガや慎三君から選手も感じ取ってもらいたいし、僕もその手助けをしていかなきゃいけない」と話した。 そして原口は「彼らから学ぶ精神的なものはすごく大きいと思う。ウガにしろ、慎三君にしろ、あと2週間で引退だけど、本当に最後の最後まで選手として非常にフィットした状態だと思うし、おそらくいつ2人にチャンスが来てもハイパフォーマンスを出せると思えるぐらい練習でのパフォーマンスが良かった。そういう準備力であったり、プロフェッショナルさ、そして精神的な強さ。今後、浦和が勝っていく上でもあのような選手たち、メンタリティーが必要だと感じる」とも口にした。 優勝争いが日常だった浦和を築き上げた同世代の選手たちは、これでほとんどがチームを去り、スパイクを脱いでいく。失われた伝統を取り戻すのは容易ではないが、浦和はその道のりを歩むことができるだろうか。
轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada