「日本企業で熱意あふれる社員は6%のみ」の衝撃…給料も仕事のやりがいも長期低落なのに、社員を「お金のかかるコスト」扱いする日本企業の問題点
日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか #1
一部の調査によると、日本企業で熱意にあふれる社員は日本全体の6%のみだそうだ。さらに、やる気のない社員は全体の70%にも昇るという。もちろんこれは会社員のみの数字ではあるが、悲惨な日本の実情を物語っているといえるだろう。給料が上がらず、仕事がつまらないという会社員特有の悪循環を生み出してしまっている要因はなんなのか。 【関連書籍】『日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか』
書籍、『日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか』(平凡社)より一部を抜粋、再構成してその現状をお伝えする。
日本企業で「熱意あふれる社員」はたった6%
かつて仕事への熱意や会社への献身ぶりを世界中から称賛された日本の会社員の「やる気」は、今、世界最低水準に沈んでいます。 世論調査や人材コンサルティングを手掛けるアメリカのギャラップ社が世界各国の企業を対象に2017年に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意)調査は、その実態を如実に示しています。 日本企業では「やる気の無い社員」の割合が70%に達し、「熱意あふれる社員」の割合はたった6%に過ぎませんでした。アメリカの32%の5分の1に満たず、調査した139カ国の中で132位と最下位クラスです。 さらに企業内にいろんな問題をまき散らす「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%と全体の4分の1弱にのぼりました。 ギャラップ社が2023年に発表した最新の「グローバル職場環境調査」でも傾向は変わりません。日本で「仕事にやりがいを感じ、熱意を持って生き生きと働いている」(ワークエンゲージメントを感じている)社員の割合はわずか5%に過ぎず、調査した145カ国中、イタリアと並んで最低でした。 ギャラップ社の調査だけではありません。他の企業による同種の調査でも、日本の会社員のやる気の無さは世界で突出しています。 世界39カ国・地域に拠点を持ち、求人・転職サイトを手がける人材サービス企業ランスタッド社が2019年12月に公表した国際比較調査でも、日本人の仕事満足度は世界最低でした。「満足している」割合は最上位であるインド人の89%に対し、日本人は42%に過ぎず、アメリカ人(78%)や中国人(74%)、イギリス人(74%)、ドイツ人(71%)を大きく下回りました。一方で「不満足だ」という日本人の割合は21%と、インド人(3%)、アメリカ人(6%)などを大きく上回りました。