「ストレスを少しでも減らせるように」全国で相次ぐ災害を踏まえ この春「新たな防災ブック」で備える=静岡【わたしの防災】
静岡放送
大きな災害が起きたとき、近所の人を助けたり、避難所を運営したりするのは主に住民の役割です。全国で相次ぐ災害の事例を踏まえ、プライバシーなどにも配慮した新たな「防災マニュアル」を作る動きが、この春、本格化しています。 【写真を見る】「ストレスを少しでも減らせるように」全国で相次ぐ災害を踏まえ この春「新たな防災ブック」で備える=静岡【わたしの防災】 <静岡県男女共同参画課 黒田貴子主任> 「避難所のレイアウトの工夫例を掲載した。授乳室、男女別のトイレ、多目的トイレ、男女別の物干し場、更衣室、多目的個室を最初から準備しておく」 静岡県が3月、作成した「みんなが共に支え助け合う防災ブック」です。性別や立場に関係なく、多様な視点を取り入れた避難所運営や平時からの防災対策ができるようにポイントをまとめました。 過去の災害では「女性や育児、介護のために必要な物資が不足している」「避難所でプライバシーが確保できず安全面に不安がある」「障害のある人や認知症の人、外国人などに対応が難しい」など、避難所をめぐる様々な課題が指摘されています。 訓練などで「防災ブック」を活用し、災害が起きる前に地域で話し合ってほしいと県は、考えています。 <静岡県男女共同参画課 黒田貴子主任> 「被災すること自体が困難でストレスを抱える事なので、そのあと避難所に来てからのストレスを少しでも減らせるように準備しておくことが大事かなと」 静岡県湖西市の内陸部に位置する南上の原地区では4月、自治会オリジナルの「防災ハンドブック」を作成しました。 <湖西市南上の原自治会 鈴木伸治さん> 「この防災倉庫には、アルファ米、テント、トイレットペーパー、毛布が入っています。何が備蓄されているのか、防災ハンドブックにまとめている」 「防災ハンドブック」は、地区の約2000世帯に配布しました。倉庫に備えている物をリスト化したほか、防災資機材の設置場所、住民の役割分担などを掲載しました。大きな災害が起きてから最初の3日間は、支援や救助を受けられないと考え、住民同士で助け合い、耐え抜くことを目標としています。 <湖西市南上の原自治会 鈴木伸治さん> 「これが終わりではなくて、問題意識をもっていただいて、また次へ進んでいくというきっかけにしたい」
自治会では、今後も年3回実施する防災訓練でハンドブックの中身を見直していく方針です。 住民向けの災害マニュアルは、静岡県や多くの市・町が作成していますが、自治会独自のものを備えているケースはまだ少ないそうです。地域の事情にあったマニュアルを作ることで、スムーズな対応につながります。
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