6の0の坂本勇人は間が取れていない 清水隆行氏、本来の調子から程遠い
◆JERA セ・リーグ 広島0―0巨人=延長12回=(19日・マツダスタジアム) 最近5試合で合計4点と、打線全体が重い感じになってしまっている。それは6回2死一、二塁、カウント2ボール1ストライクで萩尾が二飛に倒れたように、打者有利で勝負をつけられていないケースが多かったからだ。本来は振れるカウントで振りにいけなかったり、ファウルにしてしまったりして、追い込まれてからの勝負になり、打席での主導権を取れていない。 特に6の0、3三振に終わってしまった坂本は、本来の調子から程遠い。タイミングの取り方をいろいろと試行錯誤しているが、いい時は投球を引いて見る時間をつくれるのに、その間が取れていない。 体を前(投手方向)に出されても、出されながら対応ができたり、詰まらされても対応する。つまり、さまざまな形で打てる打者なのだが、今は出されたら出されっぱなし。あるいは差し込まれたままになってしまっている状態だ。 ただし、打席に立ってその中で修正をしてきたからこそ、ここまでの実績を残している。コンディションが不良というなら仕方がないが、出場し続けるべき選手だと思う。 12回無得点でのスコアレスドロー。打てずに勝てなかったが負けなかった。今季の戦いぶりは、大いに評価していい。投手陣は皆、打者と勝負している。厳しい展開になると、自分自身と闘ってしまいがちだが、自分を信じて、いい球、強い球をゾーンに投げ込むことができている。だから、多少甘くなっても打たれない。裏を返せば、打者も自分と闘うのではなく、相手投手との戦いに挑んでほしい。(野球評論家・清水隆行)
報知新聞社