元受刑者への“差別”をなくす。服役中の体験を語り、社会復帰への道を切り開く「刑務所ラジオ」
元受刑者が出演するラジオ番組を始めた、NPO法人監獄人権センターの塩田祐子さん。 「刑務所を出た元受刑者は、家が借りられない、仕事が決まらないなど、普通に生活がしたいのにつまずきがいろいろなところに待ち構えています。 【画像】元受刑者をゲストに迎える「刑務所ラジオ」 社会復帰を妨げる問題を伝えられるものを作りたいと思いました」
刑務所での体験を発信
NPOで長年、服役中の受刑者の相談に乗ってきた塩田さんは、刑期を終えてからも差別に苦しみ、再び罪を犯してしまうケースを見てきた。 そこで始めたのが、元受刑者をゲストに迎えて、刑務所での体験や社会復帰に対する思いなどを話し合う30分のラジオ番組「刑務所ラジオ」だ。 この日出演した元受刑者のクマさんは、服役中の作品作りについて紹介。 「平日だったらご飯を食べた後の余暇時間に作っていました」など、自らの体験を語った。 番組はアプリで全国に配信され、本人には出演料も支払われる。 塩田さんがパーソナリティとなり元受刑者に話を聞くことで、社会復帰や犯罪抑止にもつながっているという。 元受刑者は「ラジオに携わることで、他のことにも挑戦できる自分になれる」と話す。 塩田さんは「刑務所を出た人が次の人生をやり直す時間を過ごせることで、犯罪のない社会につながると思います。社会復帰を妨げる差別が少しでもなくなれば」と語った。
SDGs
SDGsとは、2015年9月の国連サミットで、全会一致で採択された「持続可能な開発目標」。
フューチャーランナーズ~17の未来~