地下鉄で炎に包まれた女性を誰も助けず、ただ撮影する光景を「人間性の崩壊を象徴する場面」と米紙が報じる
炎に包まれた女性の周りで、誰一人として救助の手を差し伸べなかった――。ニューヨーク市の地下鉄で起きた衝撃的な焼死事件は、大都市で進行する「人間性の崩壊」を象徴する出来事となった。乗客たちはスマートフォンで撮影に夢中になり、通りがかった警官さえも、燃える女性の傍らを素通りしていった。 【閲覧注意:動画】炎に包まれる地下鉄の車両 「ニューヨーク・ポスト」紙によると、事件は17日朝、コニーアイランド・スティルウェル・アベニュー駅に停車中の車両内で発生。グアテマラからの不法移民とされるセバスチャン・ザペタが、寝ていた女性に火をつけ、その様子をホームのベンチに座って冷然と見つめていたという。 SNSに投稿された映像には、まるでゾンビのように立ち尽くす燃える人影と、それを「おい、マジかよ」と他人事のように撮影し続ける群衆の姿が映し出されている。 コートを被せる、水を探す、消火器を持ってくるなど、命を救うための行動を誰も取らなかった事実は、現代社会の冷淡さを浮き彫りにした。同紙は、この事件を「法の支配が失われ、人々が互いを気遣うことを忘れた、機能不全に陥った都市の縮図」と報じている。