Jリーグ→欧州…長谷部誠が渡欧する前日談、カカの超人ぶりが飛躍への“野心”に変わった【コラム】
ポンテにも認められた長谷部の“闘争心”
ACLの1次リーグと日中韓3チームで争ったA3チャンピオンズカップが、2007年の上半期にあった。 その年の6月27日、浦和のロブソン・ポンテにA3での経験をはじめ、ACL決勝トーナメントなどについて長い時間取材した。そのなかで「ACL優勝には何が必要か?」と尋ねると「みんなテクニックもスピードもパワーもあるが、勝とうという気持ちだけが足りない。でも長谷部にはその強い気持ちがある。負けると本当に悔しがり怒っている」と才気煥発な若手の名を挙げたのだ。 元々レーバークーゼン(ドイツ)の司令塔だったポンテは、07年のJリーグ最優秀選手賞に輝いたブラジル人だ。そんな名人に唯一認められたのが若き日の長谷部だった。 ドイツの3クラブで16シーズン半プレーした長谷部は、この5月に40歳で現役を退いた。 [著者プロフィール] 河野正(かわの・ただし)/1960年生まれ、埼玉県出身。埼玉新聞運動部で日本リーグの三菱時代から浦和レッズを担当。2007年にフリーランスとなり、主に埼玉県内のサッカーを中心に取材。主な著書に『浦和レッズ赤き激闘の記憶』(河出書房新社)『山田暢久火の玉ボーイ』(ベースボール・マガジン社)『浦和レッズ不滅の名語録』(朝日新聞出版)などがある。
河野 正 / Tadashi Kawano