「テセウスの船」父・文吾はどうなる タイトルにもヒントが?
竹内涼真主演で今クール人気を集めるドラマ「テセウスの船」(TBS系)が22日、ついに最終回を迎える。ネットでの真犯人推理合戦といえば昨年放送された「あなたの番です」(日本テレビ系)が思い浮かぶが、「テセウスの船」も“あな番”に勝るとも劣らない盛り上がりを見せ、視聴者も毎回頭を抱えている状況だ。死刑囚として刑務所に収監されたままの父・文吾(鈴木亮平)を息子・心(竹内)は果たして救うことができるか。黒幕はいったい誰なのか。ミステリーであると同時に家族の愛の物語でもある同作。過去を変えることのできるタイムスリップも絡んだ推理は複雑で、これまでにはなかったようなドンデン返しもあるかもしれない。
タイトルに込められた意味は?
原作は週刊漫画誌「モーニング」(講談社)で連載されていた東元俊哉氏による同名コミック。原作はすでに完結しているが、ドラマ版の犯人は原作とは異なるという。 生まれる前に父・文吾(鈴木)が「音臼小無差別殺人事件」の犯人として逮捕されていた心(竹内)は、父の存在を気持ちの中から消し、母・和子(榮倉奈々)と姉兄とともに加害者家族として辛い日々を生きていた。そんな中、最愛の妻・由紀(上野樹里)から、自分の父親を信じてみてと言われた心は、父に向き合う決意を固める。父が逮捕された事件の現場である村を訪れた心だが、そこで突如として事件直前の平成元年にタイムスリップ。心はそこで31年前の父と母、あたたかな家族と出会い、なぜ父は殺人犯になったのか、真犯人は他にいるのではないか、と謎の解明に立ち向かう。 タイトルの「テセウスの船」は、ギリシャ神話がモチーフとなったパラドックス(逆説)のことだという。英雄・テセウスの船を後世に残すため、老朽化したパーツを順次新しいパーツへと置き換えて行き、その構成要素であるパーツがすべて新しいものへと置き換えられたときに、それは基本的にもとの船と同じであると言えるのか、というアイデンティティーに関する問題を提起するもの。ドラマは、過去を変えても未来の家族は同じと言えるのかどうかという難しい課題にこのテセウスのパラドックスを重ねている。この辺りにも真相に絡んだヒントが潜んでいそうだ。