平成と令和のクロスオーバー:minacuteが発信する、2020年代のカワイイカルチャー
1990年代、2000年代から見ると、2020年代の原宿カルチャーはどのように変わってきているのだろうか。平成から令和にかけて多くのショップが生まれては消えていったが、新しい時代に向けて原宿にも面白い動きが出ている。それが元・クレアーズ店員が立ち上げたminacute(ミナキュート)だ。今年8月にラフォーレ原宿にオープンしたminacuteは、かつてのクレアーズを彷彿とさせるだけではない。 平成に人気を博した「zipit」のポーチや「Ty」のぬいぐるみ、また人気クリエイターとのコラボレーション商品など、懐かしさと新しさが融合したショップだ。今回は、ラフォーレ原宿でもひときわ目立っているminacuteのディレクター兼プレスチーフの大野泰代さんに話を伺った。
コロナ禍だからこそ、KAWAIIカルチャーを盛り上げていく
2020年から新型コロナウイルスの影響で多くのショップの閉店や終了が相次いだ。クレアーズも同年、日本撤退を発表。約25年間、プチプラで遊び心満載のユニークなアクセサリーをリリースしてきたブランドが日本から姿を消した。小売業が一番大変なときに、あえてminacuteを立ち上げた背景にはどんな理由があるのだろうか。
「minacuteは、“BORDERLESS KAWAII ボーダーレスカワイイ”のコンセプトのもと、まさに何者にも阻めない【mina=皆のcute=カワイイ】を生み出すべく2021年にスタートしました。 コロナ禍で多くのファッションブランドが姿を消すなか、『カワイイものを愛する全ての人へ“POPでパワフル、キラキラでインパクトがあって、思わず手元においておきたくなるくらいカワイイもの”と出会う体験やKAWAII文化を無くしたくない、これからも届けていきたい』と新ブランドの立ち上げを決めました。 クレアーズ時代に培ったDNAは継承しつつ、新時代のKAWAII文化を盛り上げていくことのできる新ブランドを早く創らなければと使命感とプレッシャーを感じながらの立ち上げでした」 コロナ禍の緊迫した状況でのスタートだったminacute、特に大変だった思い出についても聞いてみた。 「デビューした2021年の夏に原宿でポップアップをやったのですが、その数ヶ月前に緊急事態宣言が出されていて本当に緊迫した状況でした。 それでもやはり多くの閉店のニュースが続くなかで、新しくブランドが生まれるニュースを伝えることで、いろいろな人の希望になってくれたらいいなという思いが強かったですね」