ECB、利下げ始まっても自動的には続かない-ナーゲル独連銀総裁
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行(中銀)総裁は22日、金融緩和に向かう見込みは改善しつつあるが、いったん利下げが始まってもそれが続くとは必ずしも意味しないと語った。
ナーゲル氏はインフレ率が2025年には目標の2%に戻る見通しであることを挙げ、8月の「夏季休暇前に」最初の利下げがある可能性が増していると発言。だが、それに続く毎回の会合で同じことが起こると見なされるべきではないと、同氏はくぎを刺した。
ナーゲル氏はマーケット・ニュース・インターナショナル(MNI)のウェブキャストで、「ある種の自動操縦があるとは考えていない」と述べ、「データ次第であり、今年の残りや恐らく来年も全てが順調に進むとは決まっていない。従ってわれわれは強い警戒感を持ち、慎重であるべきだ」と続けた。
政策当局者が警戒を維持すべきなのは、変動の激しいエネルギーコスト、賃金や企業利益を巡る不透明性が理由だとナーゲル氏は説明。
「未解決の問題がまだいくつかある。現状への対処には、現在行っているような会合ごとに決定していくアプローチが最善だ」と語った。
原題:ECB’s Nagel Says Rate Cuts Won’t Be Automatic Once They Begin(抜粋)
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Mark Schroers, Alexander Weber