【チーズハムカツカレー】合体させた瞬間に人生が輝きだす、大衆酒場のチーズハムカツとカレーライス:パリッコ『今週のハマりメシ』第140回
さて、と、あらためてメニューを確認すると、やっぱりあったぞ。「春田屋カレー」(528円)。どのくらいのボリュームで来るのかわからないけど、安い。おかわりの「金宮 ナカ」(297円)と、「チーズハムカツ」(253円)と合わせて、そろそろ頼んでしまおう。チーズハムカツは、この値段にして四角いハム2枚にチーズが挟まり、熱々で食べごたえがあって最高。それを今日は、豪快にのせてやるんだから......と待っていると、カレーも到着。 おぉ、まず、量はたっぷり一人前。で、見るからに肉の量がすごい。この時点で確信した。これ、やきとんとか焼鳥とかもつ煮とか牛すじ煮込みとかを出している酒場でたまに出会えることがある、超サービスカレーだ。つまり、それぞれの料理用にトリミングした端肉がたっぷりがたっぷりと使われていると想像される。本来ならば捨ててしまうことだってあるその素材を、カレーにリメイクして我々に還元してくれているというわけだ。 食べる前から御託を並べてしまったけれど、とにかく食べよう。春田屋カレーを。 あー! なるほど、そういう感じね。いやいや、うまい! 僕の大好きな和風もったり方向ではなくて、本格スパイスカレー方向の味わいだ。複雑なスパイスの香りが爽やかで、ぴりりと辛い。牛すじっぽい肉や、脂身っぽい肉や、いろんな肉がたっぷりと入っているからこそ、むしろこの方向性。あり。ありすぎる。春田屋カレー、ぜひとももっと世に知れ渡ってほしい美味しさとリーズナブルさだ。 しかしながら、今日はそれを純粋に味わうだけに飽き足らず、もっとものすごいことをしてしまう。そう、チーズハムカツをどん! だ。 ざくざくの衣の下から、ハムの塩気とチーズのまろやかさ。そこにスパイシーなカレーのアクセント。思わず変な笑い声が出てしまうほどにうまい! 幸せ! あ、いろいろ大変なこともあったけど、完全に報われた。 かつをザクザク、カレーをばくばくとほおばり、ホッピーをぐいーっ! 自分ってなんて安上がりな男なんだろうとは思うけど、今この瞬間だけは、これ以上に幸せなことなんてないんじゃないだろうか? とすら思える。 みなさん、春田屋のチーズハムカツカレー、知っておくに越したことはないですよ。 取材・文・撮影/パリッコ
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