米政府、先端半導体・AI・量子コンピューターで中国向け投資を禁止…軍事転用防ぐ狙い
【ワシントン=田中宏幸】米政府は28日、先端半導体と人工知能(AI)、量子コンピューターの3分野で中国向けの投資を禁止することを決定した。2025年1月2日から発効する。米国企業や個人の資金が中国の軍事力向上につながる技術開発に利用されることを防ぐ狙いがある。 【図】一目でわかる…生成AIの仕組み 便利さの裏に「危険な顔」
バイデン大統領は昨年8月、対中投資規制を強化する大統領令に署名した。産業界などから意見を募り、規制の詳細を詰めていた。
米財務省によると、香港とマカオを含む中国を安全保障上の「懸念国」に指定。軍事転用の恐れがある3分野を手がける中国企業への投資を原則禁止する。中国企業の株式取得や合弁会社の設立などが該当する。
米政府がすでに進めている先端半導体などの対中輸出規制に加え、資金の流れも制限し、中国への技術流出を防ぐ構えだ。比較的リスクの低い旧世代半導体を製造する中国企業についても、米政府への届け出を義務づける。違反した企業や個人には罰則を科す。
米政府高官は「米国の投資が国家安全保障を脅かす可能性のある技術開発に悪用されないよう、的を絞った措置を講じるものだ」と強調している。