韓国国家情報院「不正選挙の痕跡なかった」…尹大統領の談話に反論
韓国国家情報院が昨年、中央選挙管理委員会に対する保安点検で不正選挙疑惑に関連した根拠を発見できなかったという内容を最近国会に報告したことが確認された。これは12日の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の国民向け談話とは相反する内容だ。不正選挙疑惑は尹大統領が談話で明らかにした非常戒厳宣言の名分の一つだった。 18日、複数の情報当局関係者によると、国家情報院は昨年7~9月選管委に対して韓国インターネット振興院(KISA)と合同点検を実施したが、選管委システムで不正選挙が発生した痕跡は見つからなかったという内容を12日の尹大統領の談話以降に国会に報告した。国会の要請に対する報告で、国家情報院は過去に北朝鮮が選管委職員の電子メールをハッキングして対外秘を含んだ一部業務資料が流出するなど選管委のセキュリティシステムがその他の機関よりも脆弱だと判断しただけで、不正選挙に関する手がかりは全く捕らえることはできなかったと明らかにした。 尹大統領は12日の談話で「昨年下半期、選管委をはじめとする憲法機関と政府機関に対して北朝鮮のハッキング攻撃があった。国家情報院がこれを発見して情報流出と電算システム安全性を点検しようと思ったが、選管委は頑強に拒否した」と述べたが、国家情報院は「選管委の要請でセキュリティ点検をした」という趣旨で国会に報告したという。選管委が国家情報院のシステム点検要求を拒否したのは、昨年ではなく2022年10月板橋(パンギョ)データセンター火災以降、国家情報院が国家機関などに対して合同点検を施行した時で、選管委に対する北朝鮮のハッキング憂慮が提起された昨年5~6月には選管委が国家情報院にセキュリティ点検を要請したということだ。ただし、その過程で選管委が憲法機関という理由で自らのセキュリティ点検を推進したことはある。 また、尹大統領は「2024年4月総選挙を控えたときも、問題がある部分に対する改善を要求したがきちんと改善されたかどうか分からず、今回国防長官に選管委電算システムを点検するように指示した」と述べたが、国家情報院は選管委が実際に国家情報院の勧告のとおりセキュリティ関連問題点を改善した事実を今年の初め何度も確認したという。金竜彬(キム・ヨンビン)選管委事務総長も13日、「国家情報院のセキュリティコンサルティングと関連し、選管委がセキュリティ上不十分な措置があったということは認めた」とし「今年1月から3月まで相当な措置がすべて講じられた」と述べた。 これに先立ち、昨年10月選管委セキュリティ点検関連の記者会見で、国家情報院の白鍾郁(ペク・ジョンウク)第3次長は「われわれはハッカーの観点で潜入できるかどうかを確認してみたもので、実際に操作があったかどうかは点検の対象ではなかったため、選管委で答える必要がある」とし「今回のセキュリティ点検の結果を過去に提起された選挙関連の疑惑と単純に結びつけるのは警戒しなければならない」と述べた。このような内容は尹大統領に報告された。 尹大統領は12日談話の時、選管委の電算システム点検当時に不正選挙疑惑に対する根拠を発見したといってはいない。ただし「(選管委)電算システムがこのようにでたらめなのに、どうしたら国民が選挙結果を信頼できるだろうか」と主張した。