履正社―近大付　10回履正社1死2、3塁、適時打を放って塁上で拳を突き上げる金光（大阪シティ信用金庫スタジアムで）

　秋季近畿地区高校野球大会大阪府予選は6日、大阪シティ信用金庫スタジアム（大阪市此花区）で準決勝2試合が行われた。大阪桐蔭は3―0で大阪学院大高に勝利し、履正社は8―6で近大付を下して、それぞれ決勝進出を決めた。両校は、来春の選抜大会の出場校選考で重要な参考資料となる近畿大会の出場権を手にした。決勝は3年連続で同じカードで、3位決定戦とともに13日、同球場で実施される。 大阪学院大高―大阪桐蔭　6回大阪桐蔭無死、畠中が右翼へ3塁打を放つ

大阪学院大を完封

　大阪桐蔭が好機を確実にものにして、試合を優位に進めた。 　二回、吉野、内海の連打で無死一、三塁とすると、中野の内野ゴロの間に先制。五回に宮本の適時打、六回にも増田の犠飛でそれぞれ1点を追加した。 　大阪学院大高は三回に二死満塁の好機を作るなどしたが、あと1本が出ず、8回3失点と好投した下條を援護できなかった。

2年生右腕、被安打5

　最速149キロを誇る大阪桐蔭の右腕・中野大虎投手（2年）が、被安打5で完封する好投を見せた。 　1点を先制した直後の三回、四球などで二死満塁のピンチを招いた。失点すれば相手に流れが傾く場面だったが、今夏の甲子園で強豪校の好打者を抑えた経験から、「自分の投球をすれば抑えられる」と動じなかった。自信のある直球を外角に投げ込み、三振に仕留めるとマウンド上で雄たけびを上げた。 　主将としてもチームを引っ張る立場。近畿大会への切符は手に入れたが、「決勝も勝って1位になる。負けは許されない」。6連覇をかけて挑む決勝戦を見据えていた。

近大付との乱打戦制す

　履正社がシーソーゲームを制した。 　1点を追う九回、代打根岸の安打などによる二死二、三塁から、相手の捕逸で同点。延長十回タイブレイクは一死二、三塁で金光の適時打で勝ち越し、田中のスクイズでさらに加点した。投げては、六回途中から登板した矢野が無失点に抑える好救援を見せた。 　近大付は六回二死二、三塁から武内の適時打で勝ち越したが、155球を投じた主戦藤尾が力尽きた。

延長十回、1年生好打

　両チーム10本以上の安打を放った乱打戦で、履正社打線は打ち気にはやり、フライアウトを重ねていた。 　1点差の九回、多田晃監督の「冷静にいこう」との呼びかけに応え、同点に追いついた。 　タイブレイクの延長十回一死二、三塁で、「低く強い打球を」と落ち着いて打席に入った金光祥玄選手（1年）は、内角の直球をコンパクトな振りで左翼前に運び、決勝点につなげた。 　「ここ一番で打ててよかった」と金光選手。今夏の大阪大会準決勝でも対戦し、敗れているライバル・大阪桐蔭との決勝戦に向け、「勝って大阪1位として近畿大会に行く」と闘志を見せた。